小杉なんぎんの短編小説【三十度】

小杉なんぎん

第1話

見知らぬ男がいきなり近づいて来て、こんなことを言った。

「ちょっとこれを見て下さい」

何だかよくわからないけれど見ることにすると、その男はゆっくりと体の傾け、あるところで体をピタリと止めた。

「いいですか、これが三十度です。いいですか、体を傾ける時は、この三十度、これを守って下さい」

それ以来私は、体を傾けたい時は必ず三十度。それを守っている。

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小杉なんぎんの短編小説【三十度】 小杉なんぎん @nangin-27-27

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