第3話くねくね 2
山の化け物は相変わらず爺さんを喰っていて爺さんは事切れていた。たかし君はニタニタ笑いながら踊っていた。
俺達は化け物を射程に捉えると発砲した。
「ダン!」「ダン!」
と俺と松井の銃の音が 山中にこだました。
「ぐぇえるぽおおえぇ。。」
土手っ腹に弾を食らった化け物は食ったものを吐きながらこちらを睨みつけた。
化け物のいるところに辿り着き再び発砲を試みた。
「ウヒャヒャヒャ!」
たかし君が奇声を発しながららこちらに体当たりしてきた。
「くそ!ロバート先にいけ!たかし君は俺が抑える!おい坊さん手伝え!」
下で腰を抜かしていた住職に大声で怒鳴りつける。
化け物は爺さんの腸だけ咥えて山の奥へ逃げようとしていた。
留めを刺そうとするが、ふと我に返る。
「このまま殺ると祟られるな。」
しかしどちらにせよ相手は死ぬ。松井と俺両方祟られるより留めを刺した俺だけ祟られればいいと思い。残りの弾倉に残った弾を全部叩き込んだ!「ダン!ダン!ダン!ダン!」
死に際の化け物と目が合った。微かに聴こえたのは意味不明な呪詛らしき言葉だった。
ふと手を見ると変色しており、銃を持っていった右手の爪が全て剥がれ落ちた。
「クソ!やっぱりやられたか。」
「ロバート!たかし君大人しくなったぞ。やったのか。お前その手祟られたか。。」
「あぁ、クソ痛てぇよ、祈祷師のとこ連れっててくれ、その後病院だ。」
住職がたかし君をおんぶして車に戻った。お爺さんの亡骸には俺の上着を掛けてやり後日引き取りに来ることにした。
化け物の死体には御神酒と塩をぶっ掛けておいた。後日祈祷師を呼んで燃やす。
帰りの運転は松井に任せて俺は助手席で意識を手放した。
次に意識を取り戻したのは布団の上だった。
「よう、起きたか。」
松井が縁側でタバコを吹かしながらこちらを見ていた。
「神社内は禁煙じゃないのか。全く」
右手には包帯が巻いてあり、全て終わった後のようだった。
「あれから3日経った。俺は住職にたかし君任せてお前をこの神社にかつぎ込んで祈祷一緒に受けて医者呼んでここ2日近くのホテルから様子見に来てたってわけよ。ありがとうは?」
松井はニヤリと笑う。
「ありがとうよ!たかし君は大丈夫そうなのか。」
「あぁ、元凶が居なくなったから少し大人しくはなった。しかし軽い知的障害は残るだろうな。意思の疎通が出来るようになっただけ良かったとご両親は喜んでたよ。お爺さんのことは残念がってたけど感謝してたよ。」
まぁ、ビターエンドってところか。。俺はそう考えながらもう一眠りする事とした。
異談黙示録 @matunaga0079
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異談黙示録の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます