異談黙示録
@matunaga0079
第1話 ネットミーム汚染
くねくね、きさらぎ駅、猿夢など、インターネットで拡散された怪談怪異。一昔前になるとメリーさんやトイレの花子さんなど口伝えにそういった話は拡散されていった。殆ど事実無根だったそれらの話は多くの人に知られることで肉付き事実となった。各地で目撃情報が相次だ。そしてついにとある怪異の影響で聚落がひとつ消えた。表向きは人口減少による集団移転だが真の原因はその集落の児童の発狂事件によるためである。。
中国地方の某県にて
「この温泉街のストリップひでぇななんで金払って還暦過ぎたばーさんの裸踊りみなくちゃならんのだ。」
「だからやめとけっていったんだ、ロック座じゃあないんだぜ。。」
俺たちは某県の温泉街へと来ていた。集団移転した集落の人間は麓のこの街に多く移転していた為だ。
ストリップ、風俗狂いのこの変態は松井 堂昌という元は仏門を志していたが挫折して風俗ライターや派遣の仕事を転々とした後、現在俺と怪異関連の仕事をしている。
「お前はそう言いつつノリノリだったじゃあないかロバート!」
ロバートなどと呼ばれているが俺は日本人である。祖父がアメリカ軍人だった為ミドルネームにロバートをつけるのが家の習わしとなっている。伊東ロバート徹也、ロバートが着いてなければ平凡な名前の平凡な日本人である。
俺はコイツとコンビを組んで国や自治体からの依頼で秘密裏に怪異に対応する非常勤の国家公務員という何とも心許ない立場で働いている。
「んで、発狂しちゃった子はこの街の児童養護施設にいるんだろ。山に返すのかそれともこのままにするのか親御さんとも相談しないとな。」
松井は口調は軽いが真面目に話した。
「そうだな(くねくね)を見た以上どうにもならんからな。」
くねくねとは2000年代にネット掲示板で流行した田んぼに現れる白くくねくねした人型であるまともに視認すると発狂して元に戻らない。
児童養護施設ひまわりの園
「伊東さんと松井さんですね。お話は伺っています。」
施設長の男性が出迎えてくれた。
「こんにちは、一応表向きは役所の視察ってことになってます、よろしくお願いします。」
「たかし君は他の子とは別の部屋にいます。お通ししますね。」
少し奥の教室に彼はいた。
涙目で笑いながらくねくね踊るその姿はまさにくねくねだった。
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