独学で脚本術を学んだ人による『物語』教室

北上悠

第零講 あいさつ

 既にご存知の方はこんにちは、ご存知じゃない方もこんにちは。

 慢性の厨二病末期患者、北上悠です。


 はい。

 あいさつのノルマは達成したんで、サクサク次を読みたい人から読み飛ばしていいですよ。

 先生は怒りません。


 ――まぁ読んでくれる人もいるかもしれないし、なんで急にそんなことを始めたのか? と思う方もいるので、お話しします。

 理由は単純に、物語の書き方が右も左も分からない人のために、物語を綴る楽しさを知ってもらいたいと思ったからです。

 それ以上の理由もそれ以下の理由もありません。

 と、まぁ……ラノベ主人公も真っ青なご高説を述べさせていただいたところで、もう一つの理由もお話しします。

 小説の書き方で、一番指摘されることはなんですか? はいそこ、中島くん!

 ……はい、そうです。

 文章表現やテーマの魅せ方の話ですね?

 皆さん、勇気を持って答えてくれたイマジナリー=中島くんに拍手。

 

 閑話休題。

 

 突然ですが、先生は文学が嫌いです。

 『羅生門』はカツラを作ったお婆さんを追い剥ぎする下人の話で、『人間失格』はダメ人間の丁寧な日記です。

 もちろん見る目がないだけだ! とか、黙れ小僧! とか罵詈雑言が飛び交いそうですが、これだけは言いたい!

 物語の面白さが文章で決まるのなら、今頃中高生は嬉々として現代文の授業を受けているはずです。

 しかしそうはならなかった……ならなかったんだよ諸君。

 だけど先生、文学的な作品は嫌いじゃありません。

 何が言いたいかと言うと、深いテーマを面白く描けることが一番素晴らしいことじゃないかと、私はそう言いたい。

 もちろん文学が好きなのも、そういう作品が書きたいのも、個人の自由です。

 けどね? 文章は自分で書いて、他人の文章読んで、辞書を引くことをコンスタントに繰り返せば、ある程度は上手くなるんです。

 じゃあ物語は?

 ……というわけで長々と話してしまいましたが、改めてここに独学で脚本術を学んだ人による『物語』教室の開講を宣言します!

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