第5幕 真実とHERO
靴で大事になった件で、私は彼女達を疑ってしまった。
しかし、先生は彼女たちは否定していると、言っている。もともと、他に彼女たちにされていることを私は、話せなかった。なぜこういうとき、いじめられている自分の現状を隠してしまうのだろうか。私にはわからなかった。
間違っているかもしれない、視野が狭いのは良くないと思い、疑惑を持ちながらも、忘れようと必死でいた。
それから1.2ヶ月のことだった。
私の同じ実験グループの女の子のKさんが理科の実験中、担任の先生に呼び出された。
どうしたのだろう?私はそう思った。
するとKさんの友達のOちゃんが、
「〇〇に関係あることだよ。」
私?何かしてしまった?私は動揺した。しかし、心当たりはない。
Oちゃんは教えてくれた。「実はね、靴に砂を入れた犯人あの二人だったんだって。」
えっ
するとKさんが帰ってきた。
「私聞いちゃったんだよね。」
「委員会で放送室がある視聴覚室に行った時に、
二人が『〇〇のあの顔傑作だったよね。あはは。
ほんとにね。ふふ。今度は何してやる?』」
と、話してたらしい。
私は唖然とした。
彼女たちに、負けないように表情に出さないつもりだったが、私の困った顔を見て、あの二人は楽しんでいたのだ。先生に信じてといったあの口で、彼女たちは、平然と嘘をつき、私を嘲笑っていたのだ。悔しかった。惨めだった。
後日、担任の先生と母が面談をした。
母から聞くとKさんがの話を聞いたのは、もう少し前のことで言おうか迷っていたらしい。
しかし、「『あの二人にいじめられてもいい。
ので、正直に言います。』と、先生に言いに来たんだって。」
私は、驚いた。
Oちゃんとはよく話したが、Kさんとの接点は少なかった。しかし、話すときは楽しく話すような関係だった。だが、Kさんは勇気を出して正直に告白してくれた。私はかっこいいと思ったし、味方ができた気がした。
後日KさんとOちゃんがいるところに私は、Kさんにお礼を言った。
「ありがとう、本当にありがとう」
心のうちの感謝の気持はとても大きかったが、言葉で表すことができず、ありがとう。と感謝の言葉を繰り返していた。
Kさんは「言うの遅くなってごめんね。」
そんなことないよ。
KさんとOちゃんは「あーゆうことされること多いの?」
「うん。」
「そっか、何かあったら頼ってね。私達が助けるよ」
「ありがとう⋯。」
泣きたくなった。
「今度、三人で遊びに行こうよ!」
心が救われた気がした。久しぶりに心の底から私は笑うことができた。私は生まれて初めて現実のHEROを見たと、私は思った。
1章終了
追憶 魚村桃 @005315
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