第2幕 感想
彼女は学校に行かなかった。
家で気力も出ず、寝てばかりして1日の大半を過ごしてた。
近所の人の証言
あの家からは、朝怒鳴り声が聞こえる。
この辺りの家は築40年以上でかなり年季が入っていて、大きい声を出すと生活音や会話が丸聞こえだった。
隣の家のXが「なんで学校いかないの、どうしてよ!」
「私のことを怒らせて、悲しませて楽しい?」と、大人の怒声がする。
たまに、「なんか理由あるのなら教えて。」と優しい声が聞こえることもある。
「あそこ離婚して片親なのよね。大変ね、早く問題が分かるといいわね。」と、
近所のおばさんは言っていた。
彼女は一ヶ月が過ぎても学校に行かなかった。
彼女はテストを休んだ。
成績には赤点がついいた。
テストには出席しないと、成績はつけられないのだ。
初めてだった。
彼女はやばいと思い、流石に登校した。
しかし、授業についていけない。
それはそうである、休んでいていなかった内容を発展して授業が進んでいるからだ。私の自信である勉強でも上位から学年の半分以下に落ちた。
その時は人格を否定されたときのような、気持ちだった。
立ち直れる気がしなかった。勉強をしないと問題を解くことはできない。
しかし、私は一つも勉強できなかった。
ただの怠けか。
それとも中学からの私のアイデンティティの喪失で体や
心に限界が来ていたのかもしれない。
体は疲労が溜まると動けなくなる。心も同じだと私は思う。
最終的に私はどっちが正しいのかわからなかったが、確証もないのに自分の怠慢だと、自分を責め続けた。
それから、テスト勉強ができなくなった。
自分の現実を見るのが苦痛で、自分の能力を試されるような機会を極端に避けるようになった。
その選択を迫られたとき、私は家にいるのに逃げたくなり、居場所がなくなり、強い強迫観念に襲われる。自分はその悩みを解決しようとするができない。
悪循環である。
回想
友達が言う。
『どこまで読んでくれた?』
「最初の1行だけ⋯。」
『えーなんで。良い小説なのに』
「最初がうさんくさい。自分が神童だとか夢見過ぎじゃない?」
『ほとんどの人が一度は小さい頃思うことだと思うけど、特別って素敵じゃない?』
「あのことわざって、子供の頃優れていても、大人になると大半の人は平凡になるって意味でしょ?」
『そうだね、でも私は、彼女は本当に神童だったのではないかなって思ったよ。
そのことわざにはね、子供の頃の才能を大切に怠けず努力していけば、大人になっても優秀でいられるっていう意味の裏返しでもあるんだって。』
「ふ〜ん。」
『彼女は努力を間違っただけで可能性を秘めていた。もっと早い段階で立ち直れてたら、まだ自分の足で立っていられたのかもしれないのに⋯。』
「それってどういうこ⋯」
『あっもうすぐバスが出ちゃう。走るよ。』
「百合、待って⋯先行かないで…。」
気づいて周りを見渡すと辺りは真っ暗だった。街灯は遠きにポツンと一つだけ見えたが、友達の姿はもう見えなかった。
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