スレ番42の朱殷色の激戦
7時間後、スマホのタイマーで意識が現実世界に引き戻された。
体が若いからか、若返りスキルを取る前に比べ、肉体的な疲労回復は早い気がするが、眠くて仕方がない。
若返った影響か? 若い頃はいくら寝ても寝足りないっていうしな。
若返りスキル取る前はタイマーが鳴ればすぐ起きれたのに……思わぬ弊害だ。
10分ほどボーッとした後、車で睡眠を取ったせいで強張った体を伸ばすべく、欠伸をしながら車から降りた。
!!!
車を降りた瞬間、欠伸は引っ込み、眠気は吹き飛ぶ。
神域外のダンジョン通路にはたくさんの敵、敵、敵。
まるでホラー映画でよく見る、ホームセンターのフェンス外に溢れかえるゾンビのようだ。
左右どちらの神域の壁にも20体程度は敵が群がっている。
神域は敵の発生には影響しないし中は視認出来るから、寝ている間に湧いた分の敵がこんな感じで集まってくるのか!
その可能性をすっかり失念していた。
神域の効果時間は残り2時間弱だ。
それまでに、ある程度数を減らさないと!
新しく神域展開すればいいけど、さすがにこの量の敵に囲まれて一瞬でも無防備になるのは遠慮したい。
反省は後回し! 武器収納庫から槍を取り出し、防具を装備する時間も惜しんで、一番突きやすそうな形状の人型の敵から攻撃し始めた。
突く、刺す、突く、刺す、突く、刺す。
たまに薙ぎ払う。
機械的に敵を減らしてはいるが、定期的に敵が湧いてくるので、思ったより敵を減らしきれない。
左右に15体程度、敵が合計30体もまだ残っている!
マズイ! もうすぐ神域の効果時間が終わる!
もう効果時間内に敵を倒しきるのは無理だと判断し、一度神域の真ん中まで戻った。
そして効果時間が切れるタイミングに合わせて、再度『その存在は安寧の源泉』を効果時間10時間で発動させる。
結論からいうと『その存在は安寧の源泉』は問題なく展開されたが、予想通りの事象と予想外の事象が起きた。
予想では何の問題もなく神域が展開されるはずで、敵も全て再度神域に阻まれるはずだった。
しかし実際にはそうならなかったのだ。
予想通りの事象は神域が展開されたことによって、敵の大半が神域の壁に阻まれたこと。
その敵の数、左右合わせて20体。この20体は予想通り神域の外で群がっている。
残りの10体は予想外の事象となった。
そのうち、こちらにプラスに働いた事象と、マイナスに働いた事象がある。
まずプラスに働いた事象によって、敵のうち10体中7体が切断された。
それは見事なまでにスパッと切られている。
切られ方はそれぞれだが、四足歩行のウルフ系の敵なんかは、首根っこから綺麗に切断されたり、胴体部が輪切りになって二等分に切り分けられていた。
人型の敵の中には肘から先を切り落とされいるものもいれば、体から見て平行に二等分されているものもいる、いわゆる冠状断というヤツだ。
そしてマイナスに働いた事象……それは残り3体の敵が神域内に入り込んだことだった。
幸いにも3体の敵は、国民的青スライムなので、そこまで苦戦はしないだろうが、3体同時に相手するのは何気に初めてで、今までと勝手が違い少々やり辛い。
青スライムは1体が正面に、残り2体が背後にいる。
まず正面のスライムを一突きし倒すと、振り返り残り2体にも攻撃を加えようとした。
しかし振り返るとスライムは既に、こちらに飛び掛って来ており、思った以上に距離が近かった。
手前にいる1体を何とか槍で倒したが、残り1体がこちらに体当たりを仕掛けてくる。
避けられない!
こんなことなら防具を装備しとけば良かった……
死にはしないだろうが、痛いは痛いだろう。準備を怠った自分が悪い、自業自得だ。
でも、正直痛いのはイヤだ!
体当たりの衝撃と痛みを覚悟していたのだが、一向にそれが訪れることはなかった。
こちらに飛び掛ってきた青スライムは、途中の空中で一旦動きを停めたかと思うと、そのまま落下し、落下したその場で何やら藻掻いている。
どういうことだ?
よく見れば青スライムの周りに神域が張られていた。
しばらく観察していたが、どうやら青スライムは小さな神域から出られないらしい。
念のため神域ごと鑑定かけてみると、こんな鑑定結果が出る。
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簡易神域
信仰魔法『その存在は安寧の源泉』によって作られた神域。
現在、神域内にはスライムがいる。
効果時間 発動してから10 時間
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スライムは10時間程は出てこれなようで、ひと安心だ。
色々検証したいことはあるが、神域の外には20体ほど敵がいるので、まずはそっちの始末を付けなければ……
気を取り直して、中断していた神域外の敵への攻撃を再開した。
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