難病に阻まれた恋。圧巻の結末とは?
- ★★★ Excellent!!!
今回、ぴぽこさん主催の学生審査員コンテスト、SJAにて私の審査員賞である''あまうた賞''に選出させていただきました! とても素敵な作品をご応募してくださり、ありがとうございます。僭越ながらレビューを贈らせていただきます。
この作品は、奇跡から始まる物語です。
「もう、1年ないんだろうな。」という切ない一行目。そこから起きるのは、初恋の幼馴染である流星との再会です。この絶望と奇跡のギャップが本当に丁寧にえがかれていて、とてもきれいでした。
そこから流星と遥は''死ぬまで''という期限付きのお付き合いを始めます。実は、幼いころからお互いのことを好きあっていたんです。
そして始まる、流星との幸せな日々。いろいろなところに出かけたり、昔の友達と会ったり。ふたりは本当に幸せなカップルのような生活を送っていました。しかし、残酷にも時はすぎて病状は悪化するばかり。そんな中で彼女は願った、「もう少しだけ……」――。
ここまでが第二話の遥ちゃんsideです。ここまで読んだ段階で、本当に丁寧で、幸せについてなにかぐっとくるものを感じました。ここからは立場が逆転した流星sideで話が進んでいきます。全部で五話完結、一万文字以内の作品です。この文字数の中でこの密度の物語を描けるのは、本当に尊敬しかありません。
三話の喜び、四話の悲しみ。そして、五話の未来。
完璧な構成で形作られていて、三話では喜びのはずなのになぜか泣けてきちゃいました。
あらためてですが、この小説は難病×恋愛もの、という私がもっとも好いてきたジャンルのなかでトップといっても過言ではないほどに素晴らしい作品です。このレビューをまだ読んでくれているあなた! この文章を読むくらいならば、すぐに「小説を読む」をクリックしてくださるとうれしいです!
素敵な作品、本当にありがとうございました!!!