キャラが生きている。私は、この作品をそう評したい。本作の主人公のウィルは父の死を受けて即位した若き王様だ。だが、決して彼はチートな存在ではない。働きすぎれば普通に倒れてしまうし、普段は父の夢を継いだ君主として振る舞っていても、真に信頼できる者の前では15歳の幼さの残った本来の性格や弱みを覗かせることがある。要するに、『普通の男の子』なのだ。それでも、父の宇宙への夢を、そして王国を受け継いでしまった彼は止まらないのだろう。例え、自分の体がボロボロになっていったとしても。そんな人間くさいキャラクター達が、本作の魅力なのだと思う。
即位式の悪夢から始まる導入が非常に印象的で、若き王ウィルの恐怖と責任が強く伝わってきました。
祝福と栄光の象徴であるはずの戴冠の場が、暗殺という形で崩れる描写は、王という存在の危うさを象徴していて秀逸です。
目覚めた後も弱さを見せることなく、即座に公務へ戻るウィルの姿は痛々しくも立派で、「愛されているが休めない王」というテーマが深く描かれていました。
政治・技術・同盟といった設定も、単なる説明ではなく、主人公の重圧として自然に組み込まれていて読み応えがあります。
若くして国を背負う少年が、これからどんな選択をしていくのか――続きを強く期待したくなる一話でした。