第20話:秩序の再建
オルテガの反乱と王城の崩壊未遂事件は、エクリア王国を根底から揺るがした。しかし、それは同時に、長年にわたって溜まり続けてきた膿を出し切る機会ともなった。
オルテガが命と引き換えに遺した告白と、アデルの手紙によって、先代の王の時代に権力を握っていた古い貴族たちの悪事が全て白日の下に晒された。彼らは捕らえられ、法の下に裁かれることとなった。
国民は、王家の隠された歴史に衝撃を受けたが、同時に、その闇を断ち切り、真実を公表した若き王女リリアナに、新たな希望を見出した。
リリアナは、多くの者たちの支持を受け、正式にエクリア王国の女王として即位した。アーロイは、変わらず騎士団長として彼女を支え、エリザールは、宮廷魔術師の長として、その知識を国の復興のために役立てることを誓った。
そして、水無月優馬は、女王となったリリアナから「王宮相談役」という、彼のためだけに作られた特別な役職を与えられた。
優馬の持つ現代知識は、瓦礫の山となった王城の再建に大きく貢献した。耐震構造の概念を取り入れた建築技術、効率的な物資の輸送計画、衛生管理の徹底による疫病の防止。彼の助言は、魔法が支配するこの世界の人々にとって、まさに目から鱗が落ちるようなものばかりだった。
王国は、リリアナという若き女王と、ユウマという異世界の知恵を得て、驚くべき速さで復興を遂げていった。それは、古いしきたりと血の歴史に縛られていた王国が、新たな時代へと生まれ変わる、まさに秩序の再建だった。
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