第18話:王城の崩壊
オルテガの告白が終わったその時、暴走した古代魔法の陣が、彼の制御を離れて最後の輝きを放った。
ゴゴゴゴゴゴッ!!
城全体が、これまでにない激しい揺れに襲われる。天井が崩れ落ち、壁に巨大な亀裂が走る。
「もうだめだ! 魔法陣が完全に暴走した! 城が……沈む!」
エリザールが悲鳴を上げた。
人々はパニックに陥り、出口へと殺到しようとする。
「まだだ! まだ終わりじゃない!」
絶望的な状況の中、優馬の声が響き渡った。
「エリザール! この魔法を止める方法はないのか! どんな魔法にも、必ず弱点や核となる部分があるはずだ!」
「核……? そうか、動力源だ! この魔法陣は、城の地下最深部にある巨大な魔石の魔力で動いている! その魔石を破壊すれば……!」
「その場所は!?」
「地下迷宮のもっと奥だ! だが、もう時間がない!」
優馬は決断した。
「アーロイ! リリアナ様と皆を安全な場所へ! 俺は、エリザールと地下へ行く!」
「無茶だ、ユウマ殿! 一人では!」
「一人じゃない」
優馬がそう言った時、彼の隣に、一人の男が静かに立ち上がった。
「私も行こう」
それは、全てを失い、絶望の淵にいたオルテガだった。
「私の犯した罪は、命をもって償わなければならない。だが、その前に、私の手で始まったこの悲劇を終わらせる責任がある」
彼の瞳には、もはや憎悪の色はなかった。ただ、深い悔恨と、最後の贖罪への意志だけが宿っていた。
優馬、エリザール、そしてオルテガ。三人は、崩れ落ちる城の中を、動力源である魔石を目指して走り出した。残された時間は、あまりにも少なかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。