「究極の自己満足」と「周囲の悲劇」のギャップが面白い

曇らせ」という、キャラクターの苦悩や絶望を愛でるニッチな性癖を、「最強英雄の自己犠牲への憧れ」という形で異世界転生モノに落とし込んだアイデアが秀逸です。

読者は、主人公フェインが「最高の曇らせ(死に様)をキメたい!」と内心で悶絶しているのを知っていますが、周囲のキャラ(リジナ、アストラ、クレア、シェラフィ)は、彼を「世界を救うために身を削る無欲な聖人」として見ています。

この「内面の変態性」と「外面の英雄性」の温度差が、物語のコメディとしてのキレを生んでいます。特に、フェインが強すぎて死ねないという「強すぎるがゆえの悩み」が、結果的にさらに英雄としての格を上げてしまい、周囲の「重い感情」を加速させていく構造が非常にスムーズで面白いです。

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