「名前を奪われ、言葉を奪われ、それでも家に帰る。」
- ★★★ Excellent!!!
幻想と現実を交錯させながら「家に帰ることの恐怖」を見事に描きだしています。犬とフジ子を同類として重ね、虐待や支配の構造を暗示することで、読者に不安と共感を呼び起こしながら、昭和的な言葉遣いと耽美的な描写が、日常の風景を美しくも不気味に彩り、ホラー以上に現実的な恐怖を際立たせています。何度も読み返しましたが、恐らくまだまだ見逃しているモノがありそう。とても奥深い作品です^^