エピローグ・独白

「私」は──抵抗しなくてはならない。



「彼ら」と、同化してはいけない。


 あの加害者と、同じになってはいけない。



「私」が、「私」である事を証明しないと。



 胸の奥から、無理やり“何か”を絞り出すように、

「私」は心の中で叫んでいた。



「私」は正しい。「私」の行いは間違ってない。


 全ては、この「秩序」のために⋯⋯。

 


「彼ら」を、修正しなくてはならない。



自分でも驚くほど自然に、そう思っていた。



 気づけば、「私」と呼ばれる個体は、デスクの引き出しに手を伸ばしていた。



 その先の記憶は──曖昧だ。

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