第15話 ​👻 謀神の亡霊と新たな将星の台頭

📜 あらすじ:前半

​🦊 厳島の静観と好機

​時代:天文24年(1555年)頃

場所:豊後府内

​大友義鎮(宗麟)(窪田正孝)は、毛利元就との直接対決を避け、「厳島の戦い」の行方を静かに見守る。結果、毛利元就が陶晴賢を破り、西国の実権を完全に掌握した。大内氏の勢力が一掃されたことで、大友氏は筑前・豊前の支配権を確立する絶好の機会を得る。

​義鎮は、即座に大軍を動かし、筑前への本格的な侵攻を命じる。

​義鎮:「毛利元就の知略は、大内という足枷が外れてこそ真価を発揮する。我らは、元就が西国を固める前に、九州の支配を完了させる!」

​⚡️ 雷神・道雪の登場

​この侵攻の先鋒として、義鎮が抜擢したのが、若くして武勇と知略に優れる重臣、**戸次鑑連(べっきあきつら)であった。後に「立花道雪」**と名乗るこの男の鋭い眼差しと圧倒的な統率力は、家臣団に新たな希望と畏怖を与える。

​戸次鑑連(道雪)(仲村トオル)は、義鎮の冷徹な『法』を理解しつつも、内に熱い武士の魂を秘めている。

​道雪:「我が命ある限り、大友家の行く手を阻む者はない。我が雷鳴で、九州を平定せん!」

​道雪の活躍により、大友氏は筑前・筑後を瞬く間に平定し、九州北部における宗麟の覇権は動かぬものとなる。

​🚨 制作現場の裏側:生ける謀神

​場所:大河ドラマ撮影スタジオ

時間:現在

​「厳島の戦い」終盤のプロットの撮影が進む中、毛利元就役の丹波哲郎さんが演じるシーンはすでに撮り終えているはずだった。

​しかし、スタジオの入口に、毛利元就の衣装を纏った、丹波哲郎さん本人が立っていた。現場は騒然とする。

​スタッフA:「た、丹波さん…?役衣装で、どうして…」

​スタッフB:「いや、丹波さんは…もう亡くなられているはずでは!?」

​脚本家の鷹山と大下ユージも、この超常的な事態に言葉を失う。

​大下ユージ:「(震えながら)…これが、**吉田プロデューサーの『愛の呪い』**が生み出した…亡霊か…」

​**丹波哲郎(毛利元就)**は、ゆっくりと歩みを進め、窪田正孝さんが演じる大友義鎮の立ち位置に立つ。

​丹波哲郎(元就の低い声で):「豊後の若殿、窪田正孝。面白い。儂の知恵の**『法』を学んでいると。…しかしな、情を捨てた王は、必ずどこかで綻び**を見せる…」

​その声は、第6幕のナレーションの台詞と全く同じであった。そして、丹波さんの視線は、脚本家の鷹山と大下ユージに向けられる。

​丹波哲郎(元就):「お前たちが描く**『宗麟』は、まだ幼い**。本当に恐ろしい王とは、死してもなお、人の心と歴史を操る者よ。」

​⚔️ 結び(二重の恐怖)

​丹波哲郎さんは、再び静かに振り返り、スタジオから去っていく。その姿は、毛利元就という人物が、単なる歴史上の人物ではなく、「知恵と策謀」の象徴として、現代の制作現場にまで**「謀神の呪い」**をかけているかのようであった。

​鷹山と大下ユージは、脚本のテーマである「呪い」が、現実の制作現場で具現化したことに、戦慄する。

​鷹山:「…宗麟の前に立ちはだかったのは、老獪な謀将ではない。歴史そのもの、いや、**『知恵の亡霊』**だ。」

​ナレーション:「毛利元就という、生ける謀神の登場。この事件は、脚本家たちに、自分たちが描く**『宗麟の孤独と業(ごう)』**が、史実を超えた『現実』となりつつあることを突きつけた。九州の覇権を握った宗麟は、この先、自らの『法』と『業』によって、どのような綻びを迎えるのか――。」

​次は、九州の覇者となった大友宗麟の前に、新たな敵として島津氏が立ちはだかり、同時に宗麟のキリシタンへの傾倒が始まる展開を描くことになりそうです。

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