Episode6 リヨンとトロアの再開
リヨン「4月20日日曜日。今日は幼なじみであるトロア君と一緒にお歌を歌いました。トロア君は昔からお歌が苦手みたいだから私がお歌のレッスンをしてあげました。最初は「そんなものしなくていい」って言われたけど私が念を押したらやってくれました。トロア君はそういうところがあるので大好きです!」
リヨン「これは17年前の出来事でしょうか。今でもよく覚えています。トロア君、元気にしていらっしゃるのでしょうか?なんだかこの日記を見たら外で歌いたくなってきましたね。今は家に誰もいないみたいですし、庭であの時の歌を思い出して歌いましょうか」
日記を読み終えるとリヨンは庭に出て大きな声で歌い出した。リヨンの歌声は非常に綺麗であり、聴く人を歌の世界に落とし込むような感じがする。
リヨン「〜〜〜〜♪♪♪♬」
シーランス王国街中
ジョン「なにか歌声が聞こえませんか?」
コムロ「気のせいだろ、近くに歌っている人もいなさそうだし」
ジョン「それもそうですね!」
コムロ「じゃあ、調査の続きをするぞ」
ジョン「はーい!」
リヨン邸
リヨン「〜〜〜♪♪♪」
リヨン「久々に歌うのは気分がいいですね」
トロア「その歌声、もしかしてリヨンか?」
リヨン「もしかしてトロア君!?」
門の外を見てみると、小柄な男性がポツンと立っていた。身長はおよそ160cm前半くらいだろう。髪は短く、ネックレスをかけている。リヨンはトロアという男の元へ向かった。
トロア「久しぶりだな、相変わらず歌が上手いな」
リヨン「ありがとうございます。トロア君は何をしていらっしゃるのですか?」
トロア「僕はシーランス王国の公務員として働いてるよ」
リヨン「昔からお勉強が上手でしたからね、そのようなお仕事につかれるのも納得です」
トロア「あ、そういえばションソン・デ・ラ・レナイサンスって知ってるか?」
リヨン「ションソン・デ・ラ・レナイサンス?」
ションソン・デ・ラ・レナイサンスとはションソン・デ・ラ・モーンとは逆でその歌声を聞けば病気に罹った人、怪我をおった人、不治の病を患った人、あらゆる人が再生するという歌だ。もちろんこれも都市伝説であり、本当にいるかどうかは分からない。
リヨン「そのような都市伝説があるのですね」
トロア「もしかしたらリヨンの歌はションソン・デ・ラ・レナイサンスかもしれないな」
リヨン「まさか、そんな訳ありませんよ」
トロア「あ、そういえば最近身内で感染症に罹った人がいるんだ。リヨンの歌で治してくれないか?」
リヨン「でも私には病気を治す能力などありませんし、無理ですよ」
トロア「いや、リヨンなら何とかできると思う。とりあえず着いてきてくれ」
トロアがそういうと引っ張るようにリヨンを連れていった。
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