祟神②
その隣で、韓国語と日本語を混ぜながら喋るユナ・パク。「これ、投げ銭めっちゃ来そう!」金銭への執着を隠そうともしない。
少し後ろから、中国語で何かを呟くリ・ウェイ。論理で全てを合理化する実利主義者。神社など、迷信の産物に過ぎないと考えていた。
そして、英語で騒ぐジャック。オーストラリアから来た軽薄な煽り屋。「This is gonna be epic!」恐怖を感じたとしても、ジョークで誤魔化す癖がある。
四人は供物が並ぶ拝殿に近づいた。マリが供えられた清酒の瓶を手に取る。
「これ、もらっちゃおうかな?」
結衣は駆け寄った。「やめてください。それは神様に捧げられたものです」
マリはカメラを結衣に向けた。画面に強いノイズが走る。結衣の顔は、全く映らない。
「え、なにこれ?」マリが画面を覗き込む。
「本当にやめてください」結衣は声を強めた。「バチが当たりますよ」
その言葉に、四人は笑い出した。
「バチ?ウケるわ!」マリは神前の榊を手に取り、ヘアアクセサリーのように頭に飾った。「こんな迷信に縛られてるなんて、時代遅れもいいところね!」
ジャックは決めポーズを取りながら自撮りを繰り返す。「これ絶対バズるって!日本の神社で禁断のチャレンジだ!」
ユナは供物の日本酒を口に含んで吐き出した。一瞬、躊躇する様子を見せたが、すぐに笑いに紛れさせる。
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怪異探偵佐々木千隼 籠目 @kagonome
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