大みそかだよ! 異世界餅つき大会!! 【外伝】レベル5デスの使いどころがありません
角乃とうふ
大みそかだよ! 異世界餅つき大会!! 【外伝】レベル5デスの使いどころがありません
異世界に転生して初めて迎える
「さぁ、年末の大掃除、張り切っていきますよ~!」
フロラはゴッドエラー(単なる手違い)で悪魔に転生したオレを何かとサポートしてくれている。設定年齢(謎)が自称17歳の小柄な美少女だ。想像してほしい。そんな子が三角
「ちょっとタナトスさん手伝ってくださいよ。綺麗にしないと
「神様なら目の前にいるじゃないですか」
「はっ! そういや、わたしも神でした。テヘペロ。じゃなくて掃除してください! 大体タナトスさんのお
「おっしゃるとおりですが、広すぎて掃除する気があんまり……。それに、ゴーレムの皆さんががんばってくれてるんで、特にやることなく無いですか?」
「そういえば、そうなんですけどね。お正月に向けて、なんか準備とかすると盛り上がるじゃないですか。あ! そうだ、餅つきなんかしたらどうですか!?」
「フロラ様、餅なんかよく知ってますね」
「ふふーん。自慢じゃありませんが、おいしいものは色んな異世界を
できれば、ほかの分野にもその知識を広げて欲しいしいものだ。
「いや、オレも餅は嫌いじゃないですけどね。ただ、自慢じゃないですが食べ専なもんで、餅なんか作ったことないんですが」
「目の前に達人がいるじゃないですか」
いうや、はさみ将棋の相手のデンキチさんの目が怪しく紫に光りだした。
「アサメシマエヨ」
そんなわけで、デンキチさん指導のもと、餅つきの準備をはじめたのだった。餅つきに必要な道具や材料はフロラが転送して用意してくれた。なんでも、もち米の仕込みは前の晩から水に
「いやはや、年末の挨拶にと来てみたら、これは立派な邸宅だね。確かにうちの若いもんが侵略拠点と間違えても仕方がない」
「わざわざお越しいただき恐縮です、モーリスさん。先日はこの森への居住を許可いただきありがとうございました」
「なんのなんの。しかし、これだけ広ければエミリーヌがすぐに
「ちょっとおじいちゃん! 変なこと言うと髪の毛引き抜いて、ゆで卵にするわよ!!」
「ねえ、何の準備してるの?」
「あー、これは餅つきの準備さ。明日から新年だろ。遠い異国の人間の国では、新年は餅を食いながらこたつでゴロゴロするんだ」
「コタツ? 良くわからないけど、モチって美味しいの?」
「そりゃもう。特につきたての
「……それって、ヤバイやつじゃない?」
「気をつけてりゃ大丈夫だよ。あれだよ、綺麗なバラにはトゲがあるみたいなもんだよ」
「なるほど、私みたいなものね」
綺麗なこともトゲがあることも自覚があるのか。自己分析はちゃんとできてるのな。そうだ、モーリスも興味津々なようだし、餅つき前の下準備は2人に
「はぁはぁ。地味な割に結構しんどい作業ね……」
「デンキチさん。わしゃ、腰が痛くなってきた。もういいかね」
「ワレ、ナメタコトイットルト、アタマカチワルゾ」
モーリスがヒィ! と短い悲鳴を上げて作業に戻る。ちなみに、デンキチさんは口が悪いだけで害はない。ともかく、2人の頑張りのおかげで、つく前から餅になってきたな。ようし、ペッタンペッタンはちょっとやってみたいぞ。出番まで1人ババ抜きでもやろうかな。と、その時天守閣の縁側にふわりと天使、じゃなくて天使みたいな悪魔が舞い降りた。
「やぁ、エムエルじゃないか! 相変わらず美人だね」
「心のないお世辞トークは相変わらずね、タナトス」
この褐色の美人は元同僚で四天王の悪魔である。彼女のアドバイスのおかげで、その後なんだかんだあって、今ココにいるのだ。
「とりあえず、生きてて良かったわ。あの後、魔王様ガチギレで大変だったんだから。『あいつバックレやがって!』って」
「マジっすか。ここにいることはどうか内密に……」
「当たり前でしょ。あなた逃がしたことバレたら私もタダじゃすまないし」
「エムエル様ー! 大好きー!!」
「ちょ、あなたそんなキャラだったけ!? どっ、どさくさに紛れて翼をモフらないで!」
エムエルの背中の翼に頬ずりしていると、背中から刺すような視線を感じた。
「……餅つきの準備ができたんだけど」
トゲトゲのバラの人、エミリールがジト目でこちらを見つめてる。
「あ、あー! お疲れお疲れ! じゃあ、餅をペッタンペッタンしようかな」
冷たい汗を背中に一筋かきながら、オレは
「ねぇねぇ、何やってるの?」
「あー、新年の異国の食べ物を作ってるんだよ、エミエルも一緒にペッタンペッタンする?」
「なんか、おもしろそうね。やってみようかしら」
そんなわけで、デンキチさんが合いの手をして、オレとエムエルで餅つきを始めた。デンキチさんの手を間違ってつかないよう、順番に1,2,3と声を出しながら餅つきする。最初は面白がって、バンバンやっていたが、そこは体力のないオレのこと、
つき上がった餅は、エルフの2人とフロラでちょうど良い大きさにちぎって丸めている。トレイに綺麗に並んだ丸餅を眺めていると、ホント、日本みたいだなと思えてくる。異世界転生してまだ日は浅いが、とりあえず年は越せそうだ。そう考えると
「どうしたんですか、タナトスさん。ボーっとして」
「ん? あぁ、何でもないです。上手にできましたね、お餅」
「つきたてが一番おいしいですよ! おひとつどうぞ」
「あーん」
「ちょっと、私のも食べなさいよ!」
エミリールが勢い良くオレの喉元に餅を突っ込む。
「ほんな、ほぉちを、ふはぁつも、ひっへんにひれふと、ほどが!!」
「あれ、タナトスさん!? もとからですけど、顔が青くないですか?」
「ハハハ! 今度は顔が赤くなっちゃって。美女に囲まれて照れてるのか? このツンデレ!」
薄れゆく意識の中、遠くで『ハイハイハイハイ!!』とすさまじい掛け声で、高速で餅をついている音が聞こえてきた。次はもっとかっこ良いチート餅、もといチート持ちの主人公に転生したいと思うオレでした。
エピローグ
その後、フロラの回復魔法で無事に蘇生したタノトスさん。みんな、おいしいお餅をお土産にニコニコして帰りましたとさ。
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【本編】レベル5デスの使いどころがありません
大みそかだよ! 異世界餅つき大会!! 【外伝】レベル5デスの使いどころがありません 角乃とうふ @sunihu11
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