新たな才能と、平凡教師の奇跡の挑戦〜人は生まれ変われる
kiara
第1話
ミチクレイヤのまばゆいばかりに輝きに満ちた音楽の才能は他の群を抜いて突出していた。
音楽教師のリドノゾミはいつも才能ある子供を探すために、学内のあらゆる生徒に目を光らせていた。だが、育てがいのある生徒を探していたため、レイヤには特に何もアプローチはしていなかった。
ある昼下がりの時のこと、レイヤはいつものように、人気の少ない裏庭で、歌を歌っていた。
リドノゾミはその時、たまたま、生徒を探す為、裏庭に来ていた。
はぁ、あの子達どこにいったのかしら、
汗だくにながら、疲れはてた彼女は諦めて、
戻ろうとした時だった。
遠く天使のような歌声が聞こえてきた。
綺麗な歌声には聞き慣れていた彼女だったが、
それとは違った美しい歌声。天から恵みの水を一気にかけられような、別世界の感覚に襲われた。
この歌声は一体なんなのだろう。
こんな感覚は初めてだ。震えが止まらなくなり、心臓がドキドキする。
落ちぶれた教師の自分にも
まだこんな感覚が残っていたなんて、
心の中から何か抑えられない感情があふれだしそうになった。
歌を歌い終わると、レイヤは視線に気づいた。
この背が小さくて、不器用な教師が驚いた目線で見ていたのをするーして、こんにちは、先生といい、何も気づいていないかのように、
過ぎさろうとした。
だが、震えた、甲高い声で足を止める。
「ちょっと待って、君!
天性の声だわ!あなたは何者?
どこかに所属してるの?それともデビュー前?
感動で手が震えたわ!」
リドはペラペラと一方的に質問攻撃をしたが、
レイヤは冷めた表情のままだ。
沈黙が続いた後、
「そういうの興味ないんで、じゃっ」と過ぎ去ろうとしたが、何かがレイヤの手を押さえつけた。
リドがレイヤの手を両手でつかみ、
行く手を阻んでいる。
真剣な目で、今しかないと言わんばかりの
真剣な表情で呼びかけた。
「待って、私はミュージカル部を結成したいの。きみの能力、そこで生かしてみない?」
「先生、言ったでしよう?興味ないんで。
離してください」
強い手で、その情熱を一喝するように
振り払った。
リドはがっかりした表情で腰が抜け、
地面に座り込んだ。
天使の歌声なのにと1人つぶやき、途方にくれ、
5分間座り込んで、動けなくなった。
彼女にとっての初めての勇気ある行動は
あっというまに終わりを告げた。
新たな才能と、平凡教師の奇跡の挑戦〜人は生まれ変われる kiara @realchange24
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