僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です2~またクビになったけど、幼なじみが慰めてくれるので悲しくなんてない!!だけど幼なじみのファンがいやがらせをしてくる~
第1部 ウィスタリア聖教国と伝説の勇者 第1話
僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です2~またクビになったけど、幼なじみが慰めてくれるので悲しくなんてない!!だけど幼なじみのファンがいやがらせをしてくる~
あきくん☆ひろくん
第1部 ウィスタリア聖教国と伝説の勇者 第1話
※本作はシリーズ前日譚ですが、本作単体でも読める構成になっています。
「僕が伝説の勇者になる!!」
・・・・・勇者ごっこで、幼なじみと勇者役を取り合ったときに出たセリフだ。
前の日は魔王役をやったので、次の日は僕が勇者役をやる番だった。
前の晩から楽しみにしていた。
いつもこうして、幼なじみと一日中遊んでいた。
だけど――
いつまでも続くと思っていた日常は、突然終わりを告げた。
僕の名はホワイト。
僕と幼なじみは、親がいない。
そのため、聖教会が運営する孤児院で暮らしていた。
孤児院には、時折、貴族が訪れる。
才能がありそうな子供を、養子として迎えるためだ。
そして、僕たちにもその日が来た。
あの時のことは、今でもはっきり覚えている。
遊んでいた僕たちに、世話係が声をかけた。
「あなたたち、ちょっとこちらへ来なさい」
素直に従った僕たちの前には、数人の貴族が立っていた。
貴族たちは、僕たちをじっと観察し、口々に言った。
「うん。この子はとても目がきれいだね。この子にしようか」
「わたしはこの子がいいな」
世話係は弾んだ声で頭を下げた。
「ありがとうございます。どうか大事に育ててください」
その言葉で、僕たちは悟った。
この人たちに引き取られるのだと。
だけど――
幼なじみとは、それぞれ別の家だった。
赤い髪の幼なじみは、泣きそうな顔をしていた。
僕は、さっき拾った赤い石を差し出した。
「泣くなよ。これをあげる。おまえの目と同じ色だろ」
必死に強がりながら、続ける。
「元気にしてたら、また赤い石をあげる。だから……」
自分の方が泣きそうだった。
赤い石を、幼なじみはとても大切そうに握りしめてくれた。
黒い髪の幼なじみも、涙をこらえていた。
「また、会おうね。忘れないで。絶対、絶対だよ」
拒否は許されなかった。どこへ行っても、生きていくしかない。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あれから十年か・・・・・」
僕は、ウィスタリア聖教国・第二騎士団に所属する騎士となっていた。
現実は過酷だ。
だからこそ、楽しかった過去を思い出してしまうのかもしれない。
第二騎士団は、魔物討伐を任される部隊だ。
今日の相手は、狼型の魔物――キラーウルフ。
正直、魔物の種類や特性を覚えるのは苦手だ。
どうせ戦いが始まれば、目の前の敵を斬ることで頭がいっぱいになる。
そして――
僕たち第二騎士団は、はっきり言って冷遇されている。
平民出身が多いからだろう。
使い捨てのように扱われている。
第一騎士団が手厚く守られる一方で、こちらは傷ついても自己責任だ。
「・・・・・時間だ。行くぞ」
小隊長の声で、僕は立ち上がった。
剣を手に取り、前線へ向かう。
だけど――この日々が、後に「勇者の聖戦」と呼ばれる時代の始まりだなんて、当時の僕は知る由もなかった。
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