水の精霊と契約して無敵になった俺、魔族に襲われておっさんになる! 

月杜円香

第1話  俺、アルベール、精霊と契約したい

 ーー体どうしてこうなってしまったのか……俺は、鏡を見て溜息をつく……

 俺は、アルベール・ロイル。18歳なんだぞ。なのに……なのに、この顔はどう見ても40代……


 これでも名門、ロイル家の長男様だ。父上は、当代一の魔法使いとして、神殿付属の魔法使いたちを統括する立場にある。

 3人兄弟の長男の俺は、5歳の時に庭に生えてた大木の上にいた風の精霊と契約をすることが出来た。今でも良い相棒なんだ。


 でも、それからが良くない。俺は、本家に近い生まれだから、銀の森の生まれだ。

 光の神の鎮座する聖地で生まれ育った。だから、光の眷属たる精霊は、そこかしこに居る筈なんだけど、俺が契約出来たのは通称『風の親分』という風の精霊だけなんだ。


 家には、親父の弟子のリヒトという魔法使いがいる。

 こいつは、俺と同じ18歳でありながら、4大精霊をコンプリートしている嫌な奴だった。

 なんせ、親父の方から頭を下げて、弟子入りさせてるんだ。

 当然、仲は良くない。


『風の親分』は、上位の精霊で俺も風だけはそこそこ使える魔法使いだが、奴は4大精霊と契約して魔法の腕も俺より上なのだ。


 そんなある日――――


 家の近くにある、ルアンザ池でボ~っと日向ぼっこをしていた。

 ここにはたくさんの水の精霊がいるのに、『池の主』は、どの精霊とも契約させてくれない。……というのも、幼い頃にこの池で溺れること2回! 『池の主』に直談判しようとして、池に飛び込んだこと3回! これで『池の主』が怒らないわけがない!! とうとう、この池には、出禁にされてしまったんだ。


 でも諦めきれない。自然と足が向いてしまう。


 その時、上空から半透明の女の子が降って来た。


 <キャーー!! 助けてーー!!>


 

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