第21話 そこにおるとは思わんやろ


「小娘、貴様! 何のようだ!」


「あなたを笑いに来ました」


「サートゥー、お前には聞いとらん!」


やはりというかユーデリカが追いつくとバチバチにギスギスしていた。

特にゴージャスの顔はタコのように真っ赤になっており、今にも爆発しそうになっている。

ミユキが怒りの炎に薪をくべている現状、待っても治るわけもないし、このままでは追い払われてしまうと思ったユーデリカは謝罪と同行の申し出をすることにした。


「父の非礼申し訳ありません! 学園長──マウント様が心配なんです!私も連れていて下さい!」


「儂の孫が心配? 貴様玉の輿が狙いか!!」


「ゴージャス老、やかましいです。いい加減叩きのめして帳簿だけ貰いますよ。……マウント様を探すために『風の調べ』を使います」


「そんなものは使わずとも騎士団を呼びに行ったに決まっておろう。マウントの動きを嗅ぎつけた連中に危害を加えられているかもしれん。急ぐぞ」


「いえ、今学園長はカースファミリーのアジトを単独で襲撃しているようです」


「何ぃ!?」


「やっぱり」


怒り心頭だった顔から一転、ゴージャスは目を白黒させると一気に顔が青ざめていく。

マウントが単騎で魔人と戦うほどの向こうみずさを間近に見ていたユーデリカは飛び出ていた時から薄々察していたので確信に変わり血の気が引く。

好意を寄せている人間が無茶をしている時ほど恐怖を覚えることはない。


「サートゥー様、私を学園長のいる場所まで連れていてくれますか?」


無事な姿を確認したい一心でユーデリカはミユキにそう懇願した。

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