第11話 第二王女


「さてどうするもんか。陽も暮れてきたな」


 ジジイから学園の復興のことぶん投げられ、頭の整理をしたくなっていたので外の空気を吸いに向かうことにする。

 改めて全壊と言われて外を見ると結構重度だな。

 残っているように見えていても大きな柱が欠けたり、ひび割れだらけだったりと建て直した方がいいものばかりだ。

 ファンタジーな世界なので魔法で更地にした後にドカンバカンダイナミック土魔法建築したいところだが、この世界の魔法は基本的に長時間は効力がもたないので建てることは出来ても一時間もたずに崩壊するので現実的ではない。

 魔法を保持する効果のある魔法陣があれば話は別だが、中盤に倒されるモビーディック家と言う悪徳貴族が占有するもので一回の使用料がバカ高い上に、学園全ての建物となると国が滅ぶレベルの料金が必要なものであることは想像に難くない。


「ああああああ!」


 そんなことを考えながら外に出ると先ほどいた学園長室のある別棟が崩壊した。

 ジジイの悲鳴が聞こえたが割とこの世界の住人は頑丈だから大丈夫だろう。


「学園長!」


 風が当たりのいい場所を探すとユーパイセン含む平民と貴族の混合集団がこちらに近づいてくる。

 平民サイドにはついて逃げ遅れたやつを助けた時に接点があるのでわからないことはないが、貴族たちについては少しよくわからない。

 貴族の生徒たちに対してこちらからアクションを起こしたつもりはないからな。


「先ほどはありがとうございました。私たちの持てるもの集めたのです。受けとって下さい」


 疑問に思っているとユーパイセンがデカい金貨袋を渡してきた。

 これはかなり入っていそうな予感がする。

 平民は商家の子息であることが多く、半端な貴族よりも余程金持っている場合があるからな。

 それがこの金貨袋に現れていると見ていいだろう。


「ボンボン家の子息、見事であった。私──レーナ・キングスダムからは最新鋭の人造魔人を送らせてもらおう」


 金貨袋を受け取り、見知らぬ貴族生徒たちが道を開けると見知った顔が出てきた。

 赤い髪に青い目の巨女、こいつは王族で第二王女のレーナだ。

 どうやら王族の平民に対して行う方針と俺の今回のムーブと一致していたので取り込もうとして接触してきているようだ。


 もらうものは金本体の方がよかったが。

 まあ人工魔人も切らしているので無駄ではない。

 儲けたもんだなと思っているとレーナが寄ってきた。


「魔透鏡部屋のことは忘れろ」


 魔透鏡。

 魔透鏡部屋にいたのは俺以外にマジックミラー号だけだったはず。

 と言うことはこいつがマジックミラー号。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る