第4話 今から学園をぶっ壊します
「祖父の言うとおりに生徒を学内から避難誘導するようにお願いします」
「はは、今すぐに各クラス担任に連絡して避難誘導を始めます」「私もいち早く避難して生徒を先導したいと思います」「一刻猶予もないぞ、急げ!」
ゴージャスとの通信を終えた後に学園長である俺の口から生徒を避難誘導するように指示を出すと講師陣が蜘蛛の子を散らすように会議室飛び出していく。
さすが権力がモノを言う世界、齢11才の子供の言うことであっても文句も言わずに大人たちが従順に従う。
俺も行動に移ることにするか。
今からゴージャスの平民生贄計画を阻止するために、学園を生贄に魔人はめ殺し計画を実行する。
具体的なプランは学園内にあるパラディンと呼ばれる人造魔人──巨大人型ロボットに乗り、開発棟にある溶鉱炉に魔人を落とす。
本当ならばそのまま戦ってスクラップにしたいところだが、いかんせんこの学園にあるパラディンは訓練用で火力が豆鉄砲くらいのものにカスタムされているので現状で魔人相手に戦える方法はこれくらいしかないのだ。
ちなみにゴージャスにはこのことは言っていない。
おそらく先ほど見た奴の下衆さからして平民の村を犠牲にすればどうとでもなるものをどうして学園を差し出さねばならないとゴネそうだからだ。
ワンマンぽい雰囲気もあるし、説得するうちにこっちに魔人が来ることは想像に難くない。
そんなことになるのならばまだ独断専行の方がマシだ。
「平民はどけ!」「邪魔だ。僕の家は伯爵家だぞ!」「貴族が優先だぞ!」
そんなことを考えながら会議室のある学舎から出てパラディンの模擬戦を行うスタジアムである修練院に向かっていくと平民の生徒を押し除けて我先にと避難する貴族の生徒の姿が見えた。
「あ、やめてください……」
その中の一人にやたら顔が良い胸のデカい金髪お下げの女子生徒を発見して目を剥く。
あ、あれはメインヒロインの一人、頭脳担当のユーパイセンことユーデリカだ。
「ゴブー!!」
背後を見るとゴブリンがおり、先行して学園に到着していたゴブリンから逃げる際に避難しようとする貴族生徒にブロックされて逃げそびれているようだ。
このままではユーパイセンがゴブリンに襲われてしまう。
そこまでいくとあることを思い出した。
これはユーパイセンのマウントとの確執エピソードで流れたシーンだ。
確かここで「平民は下がってろ」とか言ってマウントがゴブリンにいる方にユー先輩を押し遣り、肉の盾にして我先にと逃走するのだ。
トドメは刺したのはマウントのようだが今の状況でも十分ゴブリンに襲われそうになっている。
流石にこのままユーパイセンの危機を見逃すのも忍びないし、ユーセンパイに大変な時に見捨てたクズ学園長と記憶されかねない。
「平民は下がってろ」
急がねばと思って助けに向かうとファイヤーボールでゴブリンを焼き殺すとともに先ほど思い出したセリフが掛け声のような感じで口から出てしまった。
しまった。
印象最悪になってしまう。
とりあえず避難誘導して誤魔化すか。
「早く避難してください」
「ありがとうございます。学園長。あ、あの……」
誤魔化せたどうかは微妙だが間が悪いのでダッシュを再開してその場を後にする。
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