第1章15話:出発
お知らせ:
本作のタイトルですが「魔術師になる」の部分を「魔法剣士になる」に変更しました。たぶんこちらのほうが内容に合ってるかな、と思いましたのでこの変更です。(2025/11/30時点)
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緑の草が一面に生い
草原には点々と岩が転がっており、ところどころに
空は青く澄み渡っていた。
「草原を抜ければ、すぐ【ナナブロスの森】に到着する。歩いて30分といったところだ」
とエレクが説明する。
フィオネたちは歩き出す。
草を踏みしめる音。
静かな草原である。
スタンピードはまだここまで来てないようだ。
しかし油断はできない。
スタンピードとは関係なく、草原にも魔物がいるからだ。
ふいに岩石の
(異世界では、
異世界で生きていれば魔物や盗賊、ときには味方から不意打ちを食らうこともある。
そんなときのために戦士は、肉体を魔力で強化する【身体強化魔法】を
(身体強化魔法は肉体に魔力をまとわせるだけで、特別な技術ではないから、固有魔法を持たない人間でも使える。実際、フィオネも実家を追放になる以前から常時展開している)
常時展開するのは魔力の消費が重いが、そこは幼少期からの訓練でカバーしている。
いつなんどき
(……ただ私はゲーム魔法を使っておいたほうがいいかも)
とフィオネは考えた。
身体強化に代わるゲーム魔法としては【
防護魔法のほうが魔力の消費が圧倒的に少ない。
何より防御力が高い。
完全に上位互換である。
こちらを常時展開しておこう。
……さて草原を歩き続ける。
幸いなことに草原では魔物に遭遇することはなかった。
スムーズに草原を抜けることができる。
やがて前方に、
「あれがナナブロスの森ですね」
とキルティアがつぶやく。
巨大な樹木が立ち並び、
「ああ。あの森の奥にダンジョンがあるということだったな。気を引き締めていこう」
とエレクが告げた。
3人は森の中に足を踏み入れる。
木々が鬱蒼と生い茂り、太陽の光があまり届かない。
地面には枯れ葉や
湿った空気が肌にまとわりつく。
(なかなか雰囲気のある森だね。いかにも魔物が出てきそう)
とフィオネが心の中でぼやいた。
森の奥へと進んでいく。
木々のあいだを
枝を避け、根を越え、けもの道を進む。
静かな森だった。
鳥の鳴き声すら聞こえない。
だが……
ある程度進んだ時だった。
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ……
と複数の足音が聞こえてきた。
「!!」
足音は、かなりの数である。
「これは、まずいですね……」
とキルティアが冷や汗を浮かべた。
「ああ。囲まれた……!」
とエレクも表情を
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