第3話 暗躍
アルセリオはもう一度、ルドヴィクスの元へと戻って来ていた。
コンコンコンッ
アルセリオ
「邪魔するぜ?皇王陛下。」
ルドヴィクス
「ああ…君か。入りたまえ。」
ガチャッ
ルドヴィクス
「どうした…?何か見つかったのか?」
アルセリオ
「ああ。一部だけだが、原因が分かった。」
ルドヴィクス
「ほぅ…?流石探偵殿だな。早いものだ。」
アルセリオ
「いや、今回はレオの大手柄だ。あいつが異変に気づいたおかげて、合点がいった。」
ルドヴィクス
「なるほど…。良い相棒だな。」
アルセリオ
「早速だが…今回、異変の原因の一つとして存在するのは、火山の噴火の前触れだ。」
ルドヴィクス
「噴火………?この辺りの火山はみな、休火山であったはずだが…?」
ルドヴィクス
「だが確かに…言われてみれば、起きている異変と辻褄が合いはするな。だが、確証は無いのだろう?」
アルセリオ
「ああ。無ぇな。だからこそ、それを調べる必要がある。」
ルドヴィクス
「そうだな。……私も同感だ。」
ルドヴィクス
「……どうやら、やはりただの植物異変では無さそうだ。
──皇立図書館の“地階閲覧室”に入る許可をやろう。古の文献の山だ。まともな奴は誰も読まんがな……お前なら、何かを見つけるだろう?」
アルセリオ
「感謝するぜ?皇王陛下。」
ルドヴィクス
「わざわざ皇王陛下と呼ばずとも、ルドヴィクスで良い…。その方が俺としても助かる。」
アルセリオ
「おーけい、ルドヴィクス。それじゃあな。」
ルドヴィクス
「ああ。また来てくれたまえ。」
アルセリオは原因の根本を探るべく、地階閲覧室へと向かう…。
***
ルドヴィクスに言われた通り…地階閲覧室には大量の古文書などが置かれている。
アルセリオ
「手入れは…きちんとされているな。」
辺りを見回すと、
『黙示録の庭にて』や『ノアールの書簡』、
『マクレガーの手記』。『火と牙の門』など、様々なタイトルが目に写る。
──そして、その中で最も目に写った物は…
アルセリオ
「これは…早速当たりを引いたかな?」
──────────
『焔哭の口 ― ヴェル・ガルメス遺跡壁刻抄本』より
《西なる黒き山、その胎に飢えし神は眠る》
“アナンの年、第四月、炎生の兆にて、我らは赤き花の枯死を見た。
水は酸を呑み、土は熱を宿す。
空に雲なく、地は唸りを始めたり。
三日目にして、獣は山を逃れ、
五日目にして、人は夢の中で火の蛇を見たり。
七日目の夜、贄の血は地に注がれ――
“憤怒たる焔の王”は、再びその眼を開いた。
かの咆哮は天をも裂き、
灰と焔は昼を呑み込み、
千の命を焼き焦がした。
我らはこれを畏れ、“焔の王の門”に鎖を打ち、七の刻印を以て、眠りを命ず。
――火を敬し、火を畏れよ。火は贄を求む。
刻印は、
東の湖
西の断崖
南の庭園
北の廃都
空に満ちる星
地に染みる血
そして……“知る者”。
これを犯す者、愚かなる贄となりて、王の焔に焼かれるべし。
──────────
アルセリオ
「こりゃあ…興味深いな…。焔の王…か。まさか七大罪獣関連とは…」
「他の奴も探してみるか…」
(おっ?同じ著者の奴だな)
──────────
『ヴェル・ガルメス遺跡地殻断層記録(ゼーレバラン統一期)』
…断層南縁、第92層熱脈付近にて
異常振動を確認。
熱圧の上昇速度は予想を0.73単位上回る
推移を示す。
土壌試料B-9群より“赤灰化現象”を観測。
環境神官セレヴェリア曰く:
「かつて、同様の現象は《焔哭》の
三日前にも見られた」
記録官アステルは本事象を“胎動の兆”と記す。
──統一期812年、第三観測節、筆記者エグリス・マナハルト。
※補記:当時使用された“赤灰”とは、マルドュク・インフェルノ覚醒前に特有に観測される酸化性火山灰の意。
──────────
アルセリオ
「……。なるほど。こっちも同じ様な感じだな。やっぱ、この国の休火山のどっかで、憤怒が眠ってやがんのか?」
アルセリオ
(ゼーレバラン統一期って事は大体700年以上前か…)
アルセリオ
「…おっ!ありゃあ預言系かな?」
──────────
『エルマの預言と“火の眼”の災厄』より
第五節「深き地より昇るもの」
――聞け、聞け、選ばれし者よ。
火は再び目覚めん。
地を穿ち、空を呑み、千の影を灰と成す。
七つの刻印(しるし)未だ破れずとも、
一つでも触れられれば、眠れる“火の眼”は開く。
君よ、選ぶがよい。
鎖を打つ者となるか、
あるいは、贄となるか。
炎は正義にあらず。赦しも与えぬ。
――これ、アグリスの風が運びし《焔の声》。
預言者エルマ、火霊の岩窟に記す。
──────────
アルセリオ
「うさんくせぇ…まぁ、さっきまでの奴と繋がりはあるな。」
アルセリオ
「今のうちに…色々見ておこう。この事件が終わりゃあ、この地階閲覧室に入れなくなるかもだからな。」
そう言って、アルセリオは長い間読み耽ったと言う…。
***
──薄暗い闇夜に紛れ…とある話し合いが起こっていた。
???
「みな、集まったか。」
???
「おうよ!それで…アタイは何をすれば良いんだ?」
???
「私も………と同じで、気になるね。襲撃って言っても順序とかあるだろうし。」
???
「ああ、………がまずは揺動をおこなって欲しい。」
???
「分かったぜ!何だかよく分からないけど、任されたぜ!!」
???
「次に、…………は……国を、俺はその間に……国から物色せねばならぬ物がある。襲撃の過程で、とある"探偵"を見つけたら…その場で始末しろ。
──奴が生きている限り、我々は…大きく動きを変えねばならぬかも知れぬからな。」
???&???
「了解!!」
二人の大きな声が闇夜に響く。
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