Lil'in of raison d'être:Kallistō Of The Souvenir(リルイン・オブ・レゾンデートル:カリストー・オブ・ザ・スーヴニール)
StoryCode:“wameiki”#1『アルシオン兄妹捜索網』
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よく憶えています。今でもあの日の事は鮮明なまでに頭の中で描かれる。その時はとてつもない事が起きたんだ⋯と所内はパニックになっていました。それなのに、人々は何も手をつけようとしない。無視に近い事を決め込んだのです。あの時、絶対に誰かが手を加えておくべきだったんです。⋯⋯ええ、判っていますよ。彼等に抵抗の意志を見せようもんなら、直ぐに殺されます。八つ裂きにされるでしょうね。こちらから強引にここまで連れて来たんですから。それに⋯⋯⋯はぁ、正直なところ、あまり思い出したくはないんですよ。私は否定的な意見を口にしていた身なので⋯。はい、すみませんね。てか、これ⋯意味、あるんですか?他のアルシオンは何処に行ったんですか?『死体が無い』という事に、一番の驚愕を見せたのは我々の方ですよ。いったい彼等は何処に行ったんですか?富士樹海に備わっている幾つかの監視カメラにレーダーサイト機能が搭載されています。当該機器にはあらゆる生命反応をキャッチする事が可能なのですが、同時に異能者の特定も出来ます。そこに映っていたのは、アルシオンの兄と妹。ええ、ニーディールとエレリアです。この2人が研究所から脱出した事は間違いありません。⋯⋯⋯だから、言っているでしょう?この2人の所在も不明です。
『殺した⋯』??
我々が大事な実験素体を殺害するとでも⋯?笑わせないでくださいよ。こんな人間の人工的な進化を可能にする最高の変異体を、簡単に終わらせる訳が無いでしょう。
だから、困ってるのはこっちもなんですよ。アルシオンの兄と妹の捜索を今すぐに首都圏エリアへ拡大させてくださいよ。いや、首都圏なんかで⋯⋯もっと言えば、関東地方で収まるとは限らない⋯。日本列島全域に捜索網を拡げましょう。これは、あなた方、日本政府も絡んだ案件ですよ。こちらだけの責任で片付けるのはご勘弁なので。では。
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