──死んだと思っていた君が、生きていた
はこみや
──死んだと思っていた君が、生きていた
私は、天狼教官が死んだと聞かされた。
救助隊が「尼崎教官は心肺停止で死亡確認」と告げたとき、
私の世界は真っ暗になった。私も一度死亡宣告されたけど、奇跡的に蘇生。
でも、天狼教官は戻らなかったって……。3年遅れで卒業し、
航空会社に就職した日も、
胸の奥はずっと空っぽだった。ある日の新人研修の打ち合わせ。
会議室に入ると、
講師席に座っていたのは、……天狼さんだった。生きていた。左足を少し引きずりながら、
でも確かに、
私の目の前にいた。「……天狼、さん……?」声が震えた。天狼さんは立ち上がって、
「……みよりん……生きてたのか……」二人とも涙でぐちゃぐちゃになった。打ち合わせが終わって、
誰もいなくなった会議室。私は、
震える声で言った。「……私、天狼さんのこと……ずっと好きでした……
死んだって聞いてから、毎日、泣いてました……」天狼さんは、
私の頬に手を当てて、
「……俺もだ……ずっと、お前が好きだった……
もう、離さない」その瞬間、
3年間の空白が、
一気に、
埋まった。「……付き合ってください」私が泣きながら言うと、
天狼さんは、
「……ああ……もちろんだ」って、
優しくキスしてくれた。
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