第3話 霧崎side
「さて、魔獣がいるのはここかな。」
そういって私は、目的地である廃工場に到着する。
「変身! ミストレア!」
そう呟くと、髪につけている髪飾りから体が、魔力に包まれ、髪は水色になり、魔法少女専用の衣装が姿を現す。相変わらずどうなってるのかわかんないんだよね、この仕組み。また今度他の子に聞いてみようかな。
そう思いながら私は、廃工場に行く前にストレッチを始める。
ストレッチは大事だよー、戦闘中に体を痛めたりしたら洒落にならないからね!
「よし、ストレッチ終わり!」
いつものルーティーンで気合を入れ、私は廃工場に足を踏み入れる。
相手に先に見つかけられたら、こちらが不利になるため、私はひっそりと歩く。
いた。
私は相手に気づかれないように息をひそめる。
暗くて少し見にくいが、魔獣は3メートルぐらいのオオカミだった。
ただ、そのオオカミは、何もすることもなく、ただ堂々とたたずんでいる。
こんなところにオオカミ?と思わなくもないけど、
魔獣の姿はランダムだと言われているため、そういうものだと考えよう。
私は遠距離から攻撃するため、少しずつその場から、魔法により霧を出していく。
私の固有魔法は、「霧の魔法」。 霧の形状を変えたり、幻覚を見せて戦うことができる。
そして私は、霧の中でもしっかりと視界が確保されるようになるといったような特徴がある。一応、応用で霧が周囲にそこまでない状態でも飛ばせるけど、周囲の霧を使った方が、圧倒的に威力が強いんだよね。
私の周囲の霧が少しずつ深まっていき、廃工場の大部分を覆った。
よし、いつでもいける!
「
私は、オオカミに対して攻撃を繰り出した。だが、その攻撃を、オオカミは軽々とよけた。
「っ!!」
まあ、まだ想定の範囲内! 位置を変えて攻撃を…
その瞬間、私は、全身に悪寒が走った。
「
咄嗟に全身を囲うように生成したそのシールドには、オオカミの爪が突き立てられていた。
なんで?オオカミは私のことは見えてないはず。私とオオカミの距離もだいぶ離れていた。
「っ‼ 匂い!」
そうだ。考えが足りていなかった。相手はオオカミなのだ。鼻が利くに決まっている。
私は、その瞬間確信した。この魔獣は私にとって相性が悪いものだということを。
幻覚を見せようとしてもたぶん、匂いでばれる! とりあえず攻撃するしかない!
「
至近距離から攻撃を打ったのに、
それをあざ笑うかのように、オオカミはひらりと躱す。
当たらない!
それからしばらくの間、私は様々な攻撃を撃ったが、オオカミには一発も当たらなかった。逆に私の守りは、時々破られることもあり、その都度に、爪が私の体をかすめて、少しずつ体に傷がつき、衣装もボロボロになっていった。
そうして攻撃をしていると
「
そう唱えたのにオオカミに対して攻撃が飛ばなかった。
魔力切れだった。
「こんなタイミングでっ!! きゃあっ」
私はオオカミの爪でミストシールドが割られ、オオカミの大きな胴体に突き飛ばされた。
私はオオカミに吹っ飛ばされ、地面に転がった。何とか立ち上がろうとしたが、今になって魔力切れの効果が来たのか立ち上がっても、すぐに足の力がなくなりその場に座り込んだ。
私は、自分がもう戦えないことを悟った。
戦い始めた頃に、廃工場を包んでいたはずの霧は、私の周囲ですらもうほとんど残っていなかった。
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