第6話 糧へと
冷めた路地裏にうずくまる
主よ、
それが私の姿です
永い雨がしとしとと降って、
肩を重くしています
ありもしない幻影の虜になり
またしても言葉が偽りに落ちました
あなたの
永い虚偽と迷いの果てに、今日もこの路地裏でうずくまっています
ですが、主よ、あなたは許しの主でもあります
いつまでも続くかに思われた雨は止み、今は夕暮れの日差しが、街に降り注ぎはじめています
それを横目で見上げる私は、
永い沈黙に目を瞑ります
今度こそあなたの許しを信じるのでしょうか
あなたの
私の
夕方が深まると、街ではそろそろ、あたたかな食卓が開きはじめます
糧と言葉
二つの口を満たすために、
必要に迫られてまた立ち上がり、
許しの家路に戻っていきます
あなたの糧へと戻っていきます
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