第4話 ただ在るために
木々よ、枝々よ、
その緑よ、花よ
私に光の受け止め方を、
教えてくださらないでしょうか
それを教えてもらうには、
どんなへりくだりが必要でしょうか
あなた方は、ただ在ることだけに、
なぜそれほど満足できるのでしょうか?
沈黙を忘れ、
思い煩いの高い波にさらわれ、
あてもなく、闇の海をさまよう
私に
じっと沈黙し、
何を語るわけでもなく、
ただ木漏れ日を注いでくれました
変わることなく
おお、目も綾な枝々の交差よ、均整よ
光を受け止めることだけを永遠の主題とした
芸術よ、試行錯誤よ、成長よ
ふとした時でいいですから、
どうか、その美しさを思い出させてくださいませんか
闇の海から行き着いた陸地で、
私は本を開きました
木漏れ日の中、
開いた頁はあなた方が分与した光に煌めき、私の迷いを明るくしてくれます
地下深くに根をはやせと、
明るい光に伸びていけと、
本の言葉に耳を澄ませ、
私は沈黙を育てています
あなた方の静けさに抱かれながら
いつかくる芽吹きの時を信じて
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