(1)男たち

 場所は変わって、ここは後宮の外。


 日が暮れると、そこには男たちが集う。



「今日は、菁華様が出るらしいぜ」


「え、マジで? 姿だけでもみたいもんだなあ」


「ああ、中々こっちに出てくるこたあないからな」


「まあ、俺らから見ちゃ高嶺の花さ」


「高えからな」



 後宮には、遊郭が併設されている。


 この制度は、現在の皇帝が資金不足の解消のために打ち出したものだ。


 皇帝自身や息子に呼ばれない限りは、遊郭で、遊女となり、その収益は国のものとなる。


 金さえ払えば、雲の上の人である4夫人でさえ抱くことは夢ではない。しかし、それほどの地位の人が遊郭に姿を現すことはほとんどない。


 理由は簡単、皇帝からのお呼びがあることが多いからである。


 菁華妃は4夫人の1人、徳妃である。まだ20歳にもなっておらず、気高い性格と目鼻の整った顔立ちは人気が高い。



 こーん、と鐘がなり、格子が上がった。


 俯いた妃たちの姿が露わになる。


 みんな、お茶挽きであっても遊郭で人気となれば地位が上がるから、必死に着飾っている——。

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後宮遊郭 雨宮翠紗 @rulina

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