第18話 モンスター狂いの男、初の討伐任務に挑む。2
俺はクイーンドラゴン討伐の為の準備を始めた。
用意する物は水、土、風、光、大気の精霊石。
俺の得意な5つの魔法を発動するのに必要な物だ。
あればあるだけいいので、俺はカーラさんに頼んでいくつか分けてもらった。
「さて、そろそろ行くか。」
レオンさんが言った。
こうして俺達はクイーンドラゴンを倒す為に歩き出した。
まずは冒険者パーティー・フェアリーテとナイトファングが火の魔法と水の魔法を組み合わせて煙を発生させる。
「荒れ狂うイフリート、偉大なる炎をここに顕現し給え。」
「流麗をまとう清らかなる乙女ウィンディーネ、炎を包み込み白い渦を起こし給え。」
あっという間にクイーンドラゴンの住む巣に煙が拡散していく。
「この煙は何?
あれは冒険者だ!
敵襲よ!」
慌てた様子のクイーンドラゴンの兵隊役の個体が次々と巣穴から飛び出してきた。
そこに俺とオークとゴブリンの戦士団、マジシャンが立ち塞がる。
「お前ら行くぞ!」
「おう!」
バジーカさんが先陣を行き、クイーンドラゴンを相手取る。
「はあぁ!!」
先に切りかかってきたのはクイーンドラゴンの兵隊役だ。
クイーンドラゴンには、両椀にカマキリの様な巨大な武器がある。
これは剣や装飾の素材にも利用されている高級品だ。
それに対して剣で受け止めて、しばらく力押しで前方に重心を傾け、相手の体力を少しずつ削っていく。
相手の体力が限界を迎えた頃を見計らって、オークの戦士は腕の力を抜いて、左右どちらかに重心を移動させる。
クイーンドラゴンの兵隊役は、前方に力を入れていたため倒れこんで転ぶ。
そこを後衛役のマジシャンゴブリンが土の魔法を使ってクイーンドラゴンの手足を地面に縛り付け、最後にオークの戦士が急所を狙い撃ちにして倒す。
これが各個撃破のおおまかな流れだ。
俺は後衛役のマジシャンを担当している。
今のところ、優勢だ。
「ユウト、応援に来てくれ!」
グルーガさんが俺に声をかけてきた。
「何かあったんですか?」
「クイーンドラゴンの兵隊の中に、特別強いやつがいるんだ!
10匹くらいいる!
やつらは剣も使うし、魔法も使う!
恐らくリーダー格の直属の部下だ!」
俺はグルーガさんに着いて行き、リーダー格直属の部下を倒しに行く事にした。
いや、待てよ。この状況はクイーンドラゴン全員をテイムする絶好の機会だ。
俺は口の端に笑みを浮かべた。
「ははははははははは!」
「いきなりどうしたんだよユウト!?」
「これは強者の余裕の笑みですよグルーガさん!」
「いや、違うね!
お前は今、何か妙な事を考えてるだろ!
お前はそういうやつだ!」
俺とグルーガさんは、リーダー格直属の部下がいる場所へと到着した。
その場所は、銀色のモンスターの形の装飾がいたるところに施されている、神を祀る神殿のような、荘厳な雰囲気を持つ場所だ。
恐らくここがクイーンドラゴンのリーダー格が居る所だろう。
それにしても、この場所の装飾は、俺が地球から異世界に来る前に来た地下階段へと続く扉に似ている。
何か関係のある建物なのだろうか?
ここには10体のクイーンドラゴンがいる。
赤い体の兵隊役が9、白い体の隊長格と思われるものが1体。
彼女らの周りにはおびただしい数のオークとゴブリンの遺体があり、その中にはよく見知った顔の者もいた。
「新たな敵だ!迎撃用意!」
クイーンドラゴンの部隊が鋭い声で叫ぶ。
白い体の隊長格と思われる者が俺達を見つけて一斉に切りかかってくる。
「麗しきウィンディーネ、大いなるエーテリアル、我に同胞を守る力を与え給え。」
俺は周囲にドーム状の氷の壁を展開させ、クイーンドラゴンからの攻撃を防いだ。
「氷が硬すぎてびくともしない!」
クイーンドラゴンの兵隊役の一人が叫ぶ。
「では火の魔法を使って氷を解かそう!」
「だめです!それでは白い煙が出てきて視界が塞がってしまいます!」
「じゃあ、風魔法でどかすわ!
大いなる風をまとうシルフ、この氷の壁を払い給え!」
「ダメです!
ビクともしません!」
「どうしたらいいのよ......。
隊長!指示を!」
俺は氷の壁を解除した。
その瞬間、白い体の隊長格が俺に切りかかってくる。
「土から形つくられし賢きノーム、風をまとい舞い踊るシルフ、光り輝くまばゆいダーナ、我に困難に立ち向かう力を与え給え!」
おれは3種類の魔法を組み合わせて発動した。
その瞬間、10人のクイーンドラゴン直属の部下たちの周りに、空中に漂う破片が出現して、その破片は光を放ち始めた。
俺は更にその破片を不規則な動きで動かして視界を混乱させる作戦を取る。
「まぶしい!」
「どうすればいいのですか隊長!」
「くっ、女王様、どうか私達をお助けください!」
隊長格のクイーンドラゴンが叫んだ瞬間、地面からズシン、という、重たい衝撃が神殿内に響いた。
その衝撃の中心地は恐らく神殿内部からだ。
「あら、あなたが助けを呼ぶなんて珍しいじゃない。
このクイーンドラゴンの女王たるマティアの助けを呼ぶなんてね。」
神殿の奥から、3mの巨体、銀色の鱗を全身に持つクイーンドラゴンが現れた。
「やっと女王のおでましか、ユウト、一旦今発動している魔法を止めて俺に協力してくれ。」
クイーンドラゴンの女王の出現に合わせて、レオンさんがやってきた。
「分かりました。協力します!」
俺は表面上は討伐に積極的な態度を取りながら、内心ではこれからどうやって女王に取り入ろうか考えていた。
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