四話、カタリナVSエリス

サイガの町


ケガレビトそしてハニービーが暴れており燃え盛る町。エリスは友達になったばかりのカタリナが敵になってしまった状態を作ったチェリーに激しい怒りを向ける。


「あなたを絶対に殴ってやる!」


「あはっ、その前にそのお友達をどうにかしなさいよ、ほら!来るわよ?」


カタリナが飛びかかって来た。エリスは剣でカタリナの針を弾くがどうしても剣が鈍っているエリスは普段の実力が発揮出来ず動きが鈍く苦戦する。


「ほらほらほらぁ!、エリス!、早く本気を出さないと死んじゃうわよ!!」


「くっそ…」


苦戦するエリスはカタリナに蹴り飛ばされて地面を転がる。カタリナはそんなエリスの体の上に乗ると硬質化させた手をエリスの首に突き刺そうとするが。急に頭を抱えて苦しみ始めた。


「え、エリス…お願い…私を殺して…」


「…出来ないよ!、だって!私達一緒に旅をするんでしょ!?」


「うん…するわよ、そのためにも私を殺して!、あなたがトワイライト化した時の話を覚えてる?、私はそれに賭けたい!」


「!」


カタリナは一度死ぬことでエリスがそうなったようにトワイライトになろうとしているのだ。それはカタリナが言う通り非常に確率の低い賭けである。


「やって!エリス!、私は絶対この賭けに勝つから!、早く!もう理性が持たない!」


カタリナは現在必死に魔症獣としての破壊衝動を抑えている。それは長くは持たない。


「そして一緒にあのクソ野郎を殴るわよ!」


「…分かった、ちょっと痛いよ!」


エリスは剣でカタリナの胸を刺し貫いた。


「はぁ!、あはは!!!!!!、友達を殺しやがったよ!こいつ!、最低だなぁ!!」


その様子を見ていたチェリーはエリスを嘲笑う。砂になったカタリナを見て涙を流すエリスは立ち上がると剣を構えてチェリーを睨む。するとクイーンビーが襲いかかって来た。


「よくも我が娘を!!!」


クイーンビーの苛烈な攻撃を受け止めつつエリスは砂となったカタリナを固唾を飲んで見守る。どうにか成功してほしいと信じて。すると…。


「来た!」


カタリナの砂が光り輝きカタリナは水晶の姿となった。エリスはそれを見てクイーンビーを下がらせると水晶となったカタリナを手に取り彼女に魔力を送る。復活を早めるためだ。


「カタリナ…お願い!」


エリスは祈るような気持ちで魔力を送り続け水晶が一層強く光り輝くと。人の姿となって行きカタリナが再びこの世界に降り立った。


「うふふ、賭け、勝ったわね、エリス」


復活したカタリナはイタズラっぽくエリスに向けて微笑む。


「もう!、心配したんだよ!」


「あはは、ごめんごめん、さぁ、これで私もトワイライトよ!、覚悟しなさい!、糞野郎!」


カタリナはチェリーを指差しながら言った。


「成り立てトワイライト共が調子に乗んな!、おい!あのガキ二人を殺してやんな!」


「はっ!」


クイーンビーが飛びかかって来る。カタリナはそれを見て銃を上げた。


「お母さん…ごめんなさい…」


カタリナの母はアンチトワイライトに進化しかけている。トワイライトになったカタリナはそれを感じている。こうなったらもう手遅れでありトワイライトにする賭けはもう間に合わない。ならばこれ以上の被害が出る前に自分の手で倒す。そう思ったカタリナは銃口から放出させる高出力ビームで母の腹を貫いた。


「あっ…」


クイーンビーは地面に落ち力なく地面に横たわる。カタリナは彼女に近付く。


「ありがとう…カタリナ…私を止めてくれて…」


「うん…」


「人なんて殺したくない、だからあなたの手で終わらせてくれて本当に良かったわ…」


「うん……」


カタリナは母の手を握りながら涙を流す。


「愛してるわ…カタリナ…新しい友達と仲良く…ね?」


カタリナの母は最後にそう言い娘の頬にキスをすると絶命した。


「私も愛してる、お母さん」


立ち上がったカタリナはチェリーの方を向くと飛び出した。そして怒りに身を任せたフルスイングの拳を彼女の顔に喰い込ませる。


「かっはぁ!?」


チェリーは吹き飛び地面を転がる。そして立ち上がるが今度はエリスにぶん殴られた。


「さぁ、あなたの命で償ってもらうよ」


「ええ…絶対に!」


「やってみろや!、ガキ共がぁ!!」


怒り狂うチェリーと二人のトワイライトの戦いが始まる。

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