第4話 ただのうさぎ
「うちのユキはH種なんだよ」
相手が一瞬狼狽えたような気がする
まさか知性があるのか…?
ムーンウルフの長らしきやつが唸り飛びかかった
「ファイアウォール!!」
そして…動かす!
「ギャフ!?」
予想していなかったというような声を上げ退く
「ファイアバースト!!」
ファイアボールのような小さなたまがムーンウルフに当たった瞬間大爆発を引き起こした
爆発は私の数歩前まで消し飛ばした
「退いたのが仇になったね!」
唸りながら爆心地で立つムーンウルフが見えた
「ならこれで…フレア!!」
それはムーンウルフを貫いた
「やった!」
後ろから拍手が聞こえる
「全くあんたはすごいな
普通はDランク3人で挑むものだぜ?」
「そうだったの?」
「そうだよ、あんたが異常なんだよ」
まじか!という顔をしながらアグシはそこのおっさんを見ている
「あんた強すぎるんだよ漫画の主人公かよ」
「まんが?」
「忘れてくれ、あとそこのうさぎ」
なんだ?
「何だこのおっさんという目で見るな」
バレた
「そういえば名前聞いてなかったな
俺はパラガスと言う」
「パラガスさん…私はアグシ・ノースです」
「そうか今日はありがとうな」
「こちらこそ…」
「あとは魔石を集めるだけ…」
[融解]
「…いつまにか足元に雪があって溶けたら
魔石12個が出てきたんだが?」
「あんたらどうなってんだよ…」
「とりあえず戻りましょうか!」
あのあとギルドの受付の人に驚かれて宿に戻った
ここはいつも賑やかだ夜も外が騒がしい
ん?窓に丸い影が…
「おーい気づいてるー?」
「サウサ!?」
「寝れないから話そーー!!」
「どうやってここに!?!?」
「壁伝いにきた!」
「隣だったの!?」
「2つ隣!」
すごいなサウサは
「一つ質問いい!」
「いいよー!」
「A種とかってなにー!」
「ズバリは突然変異の階級付け!」
「詳細おねがーい!」
「魔物には突然変異があってね!下から順にA種、AE種H種HE種E種があるのー!」
「A種がCランク相当で!E種は世界滅亡!」
「アグシが私がH種って言ってたー!」
「H種はAランク相当!」
「えぇ!」
「A種を一人で簡単に倒せるのは異常!!」
「アグシはBランク以上は余裕!」
「あ、やばい!風で!」
なんか飛ばされそう
「あ〜れ〜!」
2つ隣の部屋の方に飛ばされてった大声で話していたので疲れていたのだろうな…
「キ…ユキ…起きて!」
なんだ?
「ギルドに報酬を受け取りに行くよ!」
そうか本来A種の魔石は貴重だというので
買い取りのための金を用意するために支払いは今日になっていた
「楽しみだね!」
ムーンエルフ一体でDランク一人ほどの強さだからA種ともなるとかなりの金額になるのでは?
「アグシさんはこちらを、
パラガスさんはこちらです」
ギルドの依頼では不正がないよう記録用の水晶を持っていく決まりだ
つまり内訳はこうだ↓
アグシ&ユキパーティ
討伐 ムーンウルフ11体
ムーンウルフA種1体
功績 ほとんどの魔物撃破
報酬の9割獲得
パラガス
討伐 無し
功績 情報共有&案内
報酬の1割獲得
報酬 銀貨50枚
特別報酬 金貨10枚
「まぁ妥当だなこりゃ」
「おじさん少ないね」
「こう見えて節約は得意なんだぞ?」
「へぇ〜」
「多少は興味持ってくれよ…」
「私明日出発だし…」
「もしかして乗り合いか?」
「はい…何故?」
「やっぱそうか!先頭の方で活躍したっていう…」
「あれですか…」
「俺後ろの方の馬車だったから分らなかったんだ」
「へぇ〜」
「興味なさげだな、そんなに俺の話はつまらn」
「ソンナコトナイヨー」
「食い気味に言われてもなぁー」
「どこ目指してんだ?」
「首都だけど…」
「ちょうど同じだ!パーティに入れてくれ!」
「…まぁいいよ」
「よし!こんな強い人と一緒なら安心だ!」
翌日の朝10台ほどある馬車はこの村を去った
―――「すごいじゃない…ネームドを倒すなんて」
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