ZOMBURGER: 肉の饗宴 最終章
最終章 第10章 スペシャルソース・レイジー・リバー
スプラッシュ&ガッツ閉鎖ウォーターパークは、夜の月明かりで真っ赤に染まっていた。 プールの水は全部抜かれ、底に残ったのはドロドロのスペシャルソースだけ。 千個のバーガーを溶かしたような、粘度MAXの肉汁スープ。 泡が立つたびにブクブクと小さな手が浮かび、また沈む。
中央の流れるプール(レイジー・リバー)に、巨大な肉の王座が浮かんでいた。 そこに焼き上がったフライシュマン博士ゾンビが鎮座。 体はウェルダン、表面カリカリ、中はレア。 腹の裂け目から無限にパティが生まれ、プールにポトポト落ちて即ゾンビ化。 まるで肉の泉。
「ようこそ、最終メニューへ」 博士の声はプール全体に響くPAから。 「ここで君たちは永遠に“食われ、食い、増える”存在になる。 メガバーガーの究極形態――無限バーガー・エコシステムだ!」
残った生存者4人(デレク、ティファニー、ボブ牧師、そして奇跡的に再登場したカレン・ゾンビ状態だがまだ自我あり)が、ウォータースライダーの頂上に立つ。
ティファニー「もう無理……でも最後までバズらせてやる」 カレン(ゾンビ)「…配信…止まらない…」 スマホはすでに骨と肉片でできた自撮り棒に固定されている。
ボブ牧師が最後の聖ケチャップ瓶を掲げる。 「主は言われた。『汝、脂にまみれよ』と!」 デレク「牧師、それ聖書にないだろ」 「細かいこと言うな! 今は黙ってソースを信じろ!」
作戦は一つ。 ウォータースライダーを全力疾走 → 空中でジャンプ → 博士の口にダイブ → 最後の**メガスペシャルソース・ドラム缶(1000リットル)**をぶちまける。 これが溶かすらしい(ティファニーがネットで見た)。
カウントダウン。 3 2 1 GO!
4人がスライダーを滑り落ちる。 スピードは時速80キロ。 風が顔を削る。 下にはスペシャルソースの海。 匂いは……地獄の朝食。
空中で全員が叫ぶ。 デレク「俺はランチラッシュを生き延びた男だ!」 ティファニー「チップより命を選んだわ!」 ボブ牧師「アーメン、そしてフライドポテト!」 カレン「★★★★★……五つ星……」
博士が大口を開ける。 その口腔は巨大なグリル。 歯はフレンチフライの串。 舌は溶けたチーズの海。
4人とドラム缶が一直線に突入。 ドカアアアアアアアアアアアアアア!!
スペシャルソース1000リットルが博士の体内で爆発。 体が膨張 → 限界 → バースト
肉の雨が半径500メートルを覆う。 プールのソースが沸騰し、蒸気が立ち上る。 全てのゾンビが同時に溶けていく。 カレンでさえ、最後にスマホを掲げたままプールに沈み、 画面に**「配信終了 ありがとう10億回再生」**の文字。
静寂。
デレクだけが、奇跡的にスライダーの端にしがみついて生き残った。 全身ソースまみれ。 肩で
完
ゾンビバーガー アメリカンテイストで @basper
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