#003福知山線脱線事故
匿名A
第1話
あれから、半年が経った。 2025年12月。 冬の風が、図書館の窓を叩いていた。
僕は、あの日から語っていない。 記録の本は、棚の奥で眠ったまま。 もう、震えることも、声をかけてくることもない。
語りを放棄した代わりに、世界は静かになった。 池田小事件は起きなかった。
マーカスも、澪も、子どもたちも——みんな、生きている。
でも、僕の中には、何かが欠けていた。
朝、通学路で子どもたちの笑い声を聞く。
でも、その中に、“本来なら死んでいたはずの声”が混ざっている気がする。
夜、テレビで災害のニュースを見る。 でも、誰も死なない。 まるで、世界が“死”を忘れてしまったように。
僕は、夢を見る。 語りの夢。 語れなかった命たちが、僕の前に立って、何も言わずに消えていく。
「……これで、よかったんだよな……?」
誰にも聞こえない問いを、何度も繰り返す。 でも、答えは返ってこない。
ある日、図書館の棚を整理していると、 ふと、あの赤い表紙が目に入った。
『記録の本』
手に取ると、何の反応もなかった。 ページは白紙のまま。 でも、最後のページにだけ、こう記されていた。
“語り手 志道遥 語りを放棄し、命を選ばなかった。 世界は静かに、命を保存している。”
僕は、ページを閉じた。 でも、心の中で何かがざわめいた。
年が明けて、2026年。
雪が降る日、僕は駅のホームでひとりの少年を見かけた。
彼は、線路の前に立っていた。 誰も気づいていなかった。 僕だけが、彼の震える背中を見ていた。
「……やめろ!」
僕は、叫んだ。 でも、間に合わなかった。
電車が通り過ぎたあと、そこには誰もいなかった。 語りのない世界でも、命は失われる。
僕は、崩れ落ちた。
「……なんで……語らなくても、救えるはずだったのに……!」
その夜、記録の本が震えた。 半年ぶりに、ページが開いた。
“語り手、命の喪失を確認。 語りの放棄は、完全な救済を保証しない。 語りの再起動、可能。”
僕は、ページを見つめた。 そして、静かにうなずいた。
「……もう一度、語る。 今度こそ、すべての命を救う。 誰も選ばず、誰も見捨てず、語りきる。」
記録の本が、赤く光った。
“語り手、再起動準備完了。 次の語りにて、全命記録モードを解放。”
僕は、目を閉じた。 そして、静かに言った。
「……戻るよ。 語りの世界へ。」
世界が、再び揺れた。
2026年2月。
図書館の窓から、冷たい光が差し込んでいた。
僕は、記録の本を開いた。 半年ぶりに、ページが自らめくれた。
“次の記録:2005年4月25日 福知山線脱線事故 死者107名、負傷者562名 語り手、全命記録モードにて接続開始”
ページに、電車の写真が浮かび上がった。 満員の通勤列車。 その中に、名前も顔も知らない命たちが、確かに生きていた。
「……語るよ。 今度こそ、誰も選ばない。 誰も、見捨てない。」
ページが光を放った。 そして、世界が揺れた。
1周目
目を開けると、僕は電車の中にいた。
207系電車、5418M列車。 宝塚発同志社前行き。
車内は、朝の匂いに満ちていた。 新聞を読む人。 眠そうな高校生。 窓の外には、春の光が流れていた。
僕は、記録の本を胸ポケットにしまった。 全命記録モードが作動している。 つまり——この車両にいる全員の命が、記録されている。
「……語るには、まだ早い。 でも、観察は始められる。」
僕は、車内を歩いた。 座席の端に座る老夫婦。 吊り革につかまる若い母親と幼い子。 スーツ姿の青年が、スマホで予定を確認している。
誰もが、今日を“普通の月曜日”だと思っている。
でも、僕は知っている。 この電車は、あと30分で脱線する。
「……間に合うのか……?」
そのとき、記録の本が震えた。
“異常検知:運転士・前方車両にて精神的負荷上昇中 語り手、接触準備を開始せよ”
僕は、前方車両へと歩き出した。 語りの旅が、再び始まった。
午前7時48分。 僕は、前方車両の連結部に立っていた。 運転席の扉は閉ざされている。 でも、記録の本は震えていた。
“運転士:片岡健 年齢23歳 勤務歴:1年8ヶ月 現在、精神的負荷:高 過去の遅延処分歴:2件 現在、70秒の遅延を抱えて運行中”
僕は、ページを撫でた。 この70秒が、彼を追い詰めている。
「……語るべきは、彼の心か……」
僕は、運転席の扉をノックした。 返事はなかった。 でも、記録の本がページをめくった。
“語り手、接触モードへ移行。 語りは、言葉ではなく、記憶を通して行われる。”
世界が、静かに揺れた。
気づくと、僕は運転士の記憶の中にいた。 制服姿の彼が、訓練所で怒鳴られていた。
「1分の遅れが、会社の信用を失わせるんだぞ!」
彼は、何度も頭を下げていた。 その背中は、まだ少年のように細かった。
次の場面では、彼が一人でノートにメモを取っていた。
「停止位置、誤差±30cm以内」
「定時運行、絶対遵守」
「遅延は、罪」
僕は、そっと彼の隣に座った。 彼は、僕に気づかない。 でも、僕は語った。
「君は、間違ってない。 遅れたっていい。 君が生きてることが、一番大事なんだ。」
彼は、顔を上げた。 でも、僕の姿は見えていない。 ただ、涙が一粒、ノートに落ちた。
午前8時00分。 僕は、運転席の扉の前に戻っていた。 記録の本が、静かに震えていた。
“語り、部分的に成功。 運転士の精神負荷、わずかに軽減。 事故発生確率:92% → 78%”
僕は、息を吐いた。
「……まだ、足りない……」
そのとき、車内放送が流れた。
「次は……尼崎……尼崎です……」
乗客たちは、誰も気づいていない。 でも、僕は知っている。 あと15分で、この電車はカーブを曲がりきれず、脱線する。
午前8時05分。
電車は、尼崎駅を通過した。 車内は、変わらず穏やかだった。
吊り革につかまる母親が、子どもに絵本を読んでいる。
老夫婦が、手をつないで窓の外を見ている。 スーツ姿の青年が、スマホで「会議資料」を確認している。
誰もが、今日を“普通の月曜日”だと思っている。
でも、僕は知っている。 この電車は、あと5分で——曲がりきれないカーブに突入する。
記録の本が震えた。
“運転士の精神負荷:中 速度:時速116km 制限速度:時速70km 事故発生確率:78% → 84%”
「……上がってる……!」
僕は、前方車両の扉を叩いた。
「片岡さん!減速してください!このままじゃ——!」
返事はなかった。 でも、運転席の中から、微かな嗚咽が聞こえた。
「……間に合わない……もう、止められない……」
僕は、記録の本を開いた。
ページが、赤く染まっていく。
“語り手、全命記録モードにて、乗客記録を展開中。 記録対象:5418M列車乗車中の107名 記録開始まで、残り3分”
僕は、車内を走った。 一人でも多く、語りを届けるために。
「あなたは、今日、息子に会いに行くんですよね?」
「あなたは、午後から面接があるんですよね?」
「あなたは、ただ、春の風を感じていたんですよね?」
誰も、僕の言葉に気づかない。 でも、記録の本が、ページをめくっていく。
“記録対象:乗客No.17 名前:佐々木陽子 年齢:34歳 記録完了”
“記録対象:乗客No.42 名前:田中翔太 年齢:15歳 記録完了”
“記録対象:乗客No.81 名前:三浦誠 年齢:62歳記録完了”
僕は、涙をこらえながら語った。
「……君たちの命は、語られる。 たとえ、救えなくても—— 語りは、命を残す。」
午前8時10分
電車は、カーブに差し掛かった。 時速116km。 制限速度、時速70km。
運転士の手が、ブレーキに伸びる。 でも、遅すぎた。
記録の本が、最後のページを開いた。
“事故発生。 記録対象:107名 語り手、記録完了。 次の語りにて、修正可能。”
僕は、最後の瞬間に叫んだ。
「……次は、絶対に救う……!」
そして——世界が、揺れた。
2周目
世界が、揺れた。
でも、今度の揺れは、痛みを知った者だけが感じる重さを持っていた。
目を開けると、僕は再び電車の中にいた。 207系電車、5418M列車。 宝塚発同志社前行き。
午前7時42分。 1周目と同じ時間。 同じ匂い。 同じ光。 同じ人々。
でも、僕だけが違っていた。
胸ポケットの記録の本が、静かに震えている。 ページがめくられ、赤い文字が浮かび上がった。
“語り手、2周目へ移行。 前回記録:完了 事故発生時刻:午前8時10分 乗客記録:107名 語り優先対象:運転士・片岡健 および、乗客No.42・田中翔太(15歳)”
「……田中翔太……」
僕は、彼の顔を思い出した。
1周目、車内の隅でイヤホンをしていた少年。 事故の瞬間、彼の記録だけが、最後まで白紙だった。
「……今度は、君から語る。」
僕は、車内を歩いた。 すべてが同じに見える。 でも、僕の目だけが、違うものを見ていた。
田中翔太は、窓際に座っていた。 制服の襟を少し崩し、イヤホンをして、外を見ていた。
記録の本が震えた。
“乗客No.42 田中翔太 年齢:15歳 中学3年生 進路未定 家庭内不和・不登校傾向あり 事故当日、学校に行くふりをして電車に乗車 目的地:不明”
僕は、彼の隣に座った。 彼は、僕に気づかない。
でも、僕は語った。
「……君は、逃げてるんじゃない。 ただ、居場所を探してるだけだろ。」
彼の指が、イヤホンを外しかけた。 でも、また戻した。
「……君の命は、ここで終わらせない。 君がどこに向かっていても、 この電車で終わらせたりしない。」
記録の本が、ページをめくった。
“語り、部分的に成功。 田中翔太の記録、更新中。 事故発生確率:84% → 72%”
僕は、立ち上がった。
「……次は、運転士だ。」
午前7時50分。
僕は、前方車両の連結部に立っていた。 運転席の扉は、やはり閉ざされている。
でも、今度は——僕の声が届く気がした。
「片岡さん。 あなたは、ひとりじゃない。 この電車には、107人の命が乗ってる。 でも、あなたの命も、そのひとつなんだ。」
沈黙。 でも、扉の向こうから、かすかな息遣いが聞こえた。
記録の本が震えた。
“語り、再接続中。 運転士の精神負荷:中 → 低 事故発生確率:72% → 58%”
「……まだ、間に合う。 今度こそ、止められる。」
僕は、記録の本を胸に抱いた。 語りの波は、確かに動き始めていた。
午前8時03分。
電車は、尼崎駅を目前にしていた。 車内は、変わらず穏やかだった。
記録の本は、静かに震えていた。 ページには、語りの痕跡が刻まれていた。
運転士・片岡健:精神負荷 低下中
乗客No.42・田中翔太:記録安定
事故発生確率:58%
「……いける……このままなら……」
僕は、車内を見渡した。 誰もが、今日を“普通の月曜日”だと思っている。 でも、僕は知っている。 この電車は、あと7分でカーブに突入する。
そのとき—— 記録の本が、急に震えを強めた。
“異常発生:運転士の判断遅延 ブレーキ操作、予定より4.2秒遅延 速度:時速115km 事故発生確率:58% → 71%”
「……なに……?」
僕は、前方車両へ走った。
運転席の扉を叩く。
「片岡さん!落ち着いて! あなたは、もう間違ってない!」
でも、返事はなかった。 扉の向こうから、無音が返ってきた。
記録の本が、赤く染まり始めた。
“語り、届かず。 運転士、判断停止状態に移行。 事故発生確率:71% → 89%”
「……やめてくれ……!」
僕は、車内を駆けた。 田中翔太のもとへ。 老夫婦のもとへ。 母親と子どものもとへ。
「逃げて!伏せて!お願い、今すぐ——!」
でも、誰も僕の声を聞いていなかった。 語りの力が、限界を迎えていた。
電車は、カーブに差し掛かった。 時速115km。 制限速度、時速70km。
運転士の手が、ブレーキに触れる。 でも、遅すぎた。
記録の本が、最後のページを開いた。
“事故発生。 記録対象:107名 語り手、記録完了。 次の語りにて、修正可能。”
僕は、最後の瞬間に目を閉じた。
「……ごめん……」
そして——世界が、砕けた。
世界が、揺れた
でも、今度の揺れは、静かで重かった。 まるで、語りの神経が軋むように。
目を開けると、僕はまた電車の中にいた。 207系電車、5418M列車。 宝塚発同志社前行き。 午前7時42分。
3周目。
記録の本が、胸ポケットの中で震えていた。 ページが、ゆっくりと開く。
“語り手、3周目へ移行。 前回記録:失敗 事故発生時刻:午前8時10分 語り優先対象:運転士・片岡健 乗客No.42・田中翔太 乗客No.17・佐々木陽子(保育士) 語りの代償:記憶の断片化開始”
「……記憶が……?」
僕は、目を閉じた。 頭の奥が、じんわりと霞んでいく。
昨日の朝食が思い出せない。
澪の声が、少し遠くなる。
マーカスの顔が、ぼやけていく。
「……これが、語りの代償か……」
でも、僕はページを撫でた。
「それでも、語る。 今度こそ、全員を救う。」
僕は、車内を歩いた。 田中翔太は、窓際に座っていた。 イヤホンをして、外を見ている。
記録の本が震えた。
“乗客No.42 田中翔太 年齢:15歳 記録開始”
僕は、彼の隣に座った。
「……君は、まだ迷ってる。 でも、君の命は、ここで終わらせない。」
彼は、イヤホンを外した。 僕の姿を見て、少しだけ眉をひそめた。
「……誰?」
僕は、微笑んだ。
「ただの語り手だよ。 君の命を、語りに来た。」
記録の本が、ページをめくった。
“語り成功。 田中翔太の記録、安定。 事故発生確率:89% → 72%”
午前7時50分。
僕は、運転席の前に立っていた。 扉は、まだ閉ざされている。
でも、記録の本が震えていた。
“語り優先対象:片岡健 精神負荷:中 記憶接続準備中”
僕は、目を閉じた。 世界が、揺れた。
気づくと、僕はまた彼の記憶の中にいた。 訓練所。怒号。ノート。涙。
でも——僕の記憶が、混ざり始めていた。
「……澪……?どこに……いたっけ……?」
「……池田小……って、なんだっけ……?」
僕は、語りながら、自分の記憶が崩れていくのを感じていた。
「……君は、間違ってない。 遅れてもいい。 君が生きてることが、一番大事なんだ。」
彼は、涙を流した。 でも、僕は——その涙の意味を、少しだけ忘れていた。
午前8時00分。
僕は、車内に戻った。 記録の本が、赤く光っていた。
“語り進行中。 事故発生確率:72% → 54% 記憶断片化:進行度 38%”
僕は、息を吐いた。
「……記憶が消えても、命は残る。 それなら、語る価値はある。」
そして、次の語りへ向かった。 佐々木陽子——保育士。 彼女の命が、次の波だった。
午前8時03分。
電車は、尼崎駅を目前にしていた。 車内は、少しだけざわついていた。
子どもが泣き出した。 母親があやす。 その隣に、佐々木陽子が立っていた。
記録の本が震えた。
“乗客No.17 佐々木陽子 年齢:34歳 職業:保育士 目的地:市立保育園 記録開始”
僕は、彼女に近づいた。 彼女は、泣いている子どもに微笑みかけていた。
「大丈夫だよ、もうすぐ保育園だね。がんばったね。」
僕は、語った。
「……あなたは、今日も誰かの命を守る人だ。 でも、今度は——僕が、あなたの命を守る。」
彼女は、僕に気づいた。 少し驚いた顔で、首をかしげた。
「……あなた、誰?」
僕は、答えた。
「語り手です。 あなたの命を、語りに来ました。」
彼女は、少しだけ笑った。
「なんだか、夢みたいな話ね。」
記録の本が、ページをめくった。
“語り成功。 佐々木陽子の記録、安定。 事故発生確率:54% → 38%”
その瞬間、僕の頭に強い痛みが走った。 視界が、少しだけ歪んだ。
「……澪……って、誰だっけ……?」
「……池田……小……?」
僕は、壁に手をついた。 記録の本が、赤く光っていた。
“記憶断片化:進行度 61% 語り手の過去記録、消失中語り継続可能”
「……まだ語れる……まだ……」
でも、自分がなぜ語っているのかが、少しずつ曖昧になっていく。
「……僕は……誰かを……守るために……」
記録の本が、静かに震えた。
“語り手、記憶の核に接触。 語りの本質、再定義可能。”
午前8時06分
電車は、尼崎駅を通過した。 あと4分で、カーブに差し掛かる。
でも、事故発生確率は——38%まで下がっていた。
僕は、車内を見渡した。 誰もが、今日を“普通の月曜日”だと思っている。 でも、僕は知っている。 この語りが、届けば——世界は変わる。
記録の本が、最後のページを開きかけていた。
「……あと少し……」
でも、僕の記憶は——もう、半分以上消えていた。
「……僕は……語り手…… 名前は……志道……」
そして、世界が、静かに揺れた。
午前8時08分。
電車は、尼崎駅を通過していた。 あと2分で、カーブに差し掛かる。
記録の本が、赤く光っていた。 ページには、語られた命の記録がびっしりと刻まれていた。
片岡健:精神負荷 安定
田中翔太:進路希望 記録済
佐々木陽子:保育園到着予定 記録済
その他乗客104名:記録完了
“事故発生確率:38% → 22% → 9% → 1%”
僕は、運転席の前に立った。 扉の向こうから、静かな声が聞こえた。
「……減速します。 今度こそ、間に合います。」
僕は、目を閉じた。
「ありがとう……片岡さん……」
記録の本が、最後のページを開いた。
“語り完了。 全命記録達成。 事故回避成功。 語り手の記憶、復元開始。”
その瞬間—— 僕の頭の奥で、何かが静かにほどけていった。
澪の声が、戻ってきた。
「お兄ちゃん、今日の給食カレーなんだよ!」
マーカスの笑顔が、浮かんできた。
「命を選ぶな。命を語れ。」
池田小の校庭。 東北の海。 ニューヨークの空。
すべてが、戻ってきた。
僕は、涙を流した。
「……僕は、語り手だ。 志道遥。 命を語る者だ。」
記録の本が、静かに閉じた。 その表紙は、赤から青へと変わっていた。
電車は、ゆっくりとカーブを曲がった。 速度は、時速68km。 乗客たちは、何も知らずに、ただ日常を過ごしていた。
でも、その日常は、確かに守られた。
僕は、車内を歩いた。 誰もが、生きていた。 誰もが、語られた。
記録の本が、最後にこう記していた。
“語り手 志道遥 全命記録達成。 語りの本質、命の共鳴に到達。 次の語りへ進む準備完了。”
僕は、窓の外を見た。 春の光が、まぶしかった。
「……語りは、終わらない。 でも、今は——この命の重さを、ただ感じていたい。」
そして、世界は静かに揺れた。 それは、祝福のような揺れだった。
#003福知山線脱線事故 匿名A @Motobayasiazami
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます