第4話
学生達が
店で偶然に出会う友達にも
友人達の明るい会話に背を向け、ぽつんとひとりカウンターに座る少女。それは、寂しい風景のはずだった。けれど、利人の瞳には、少女が望んでそうしているように映っていた。少女には、近寄りがたさを感じさせる、何かがあった。
整った顔立ちを
春の
「マスター、この曲、知ってる?」
「えっ? あぁ、なんだろう? よく聞く曲だよね」
有線からランダムに流れる曲は、一定の間隔で似たようなピアノの曲がかかっていた。その曲名を問われたと思い、利人が問い返す。けれど少女は利人の問いに応えることなく、遠くを見つめたままポツンと言う。
「この曲、私、
宙に浮いてしまった利人の問い。けれどその問いよりも、少女の消え入りそうに細い声音が気にかかる。
「今は?」
「……今も、……
そう言って、口元だけで笑う。
「ピアノ、習ってるんだ?」
そう訊くと、少女は笑んだまま、緩く首を振る。
「習ってない。でも、この曲だけは
不安定な笑み。はかりかねる瞳の色に、利人が続く言葉を選びあぐねていると、店のドアが勢いよく開いて、数人の生徒がなだれ込んできた。
「こんにちわぁ!」
明るい声に、利人も明るく応える。
「いらっしゃい」
少女はそれっきり、口を
多くを語らない少女の
親戚との付き合いが
だからひとりきりの生活には、とうの昔に慣れっこになっていたけれど、
そんな利人にとって、この喫茶店で得られる袖が触れ合う程度のいくつもの交流は、利人が思う以上に大切なものになっていた。
そして毎朝決まった時間に訪れる少女の、
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