ハイエルフと魔法界でのんびりライフ
はるさめ
第1話 幻樹の森
ここは幻樹の森
非常に幻想的な森で、ありとあらゆる魔法動物や植物が生きている
ここで生活するハイエルフのマリ・レヴァンス
もうかれこれ5000年以上生きているのだ
マリは朝起きると最初に窓を開ける
「ふぁぁ…風が冷たいなぁ」
ひんやりとする風を受ける
この時、ちょうど秋から冬になる所だ
マリの真っ白で長い髪が光を受けながらサラサラ動く
白くきめ細やかな肌に赤い瞳。真っ白な体に赤が映える。その瞳がハイエルフの特徴でもある
体は華奢で、本当に5000年以上生きているのかと疑問に思う者も居るだろう
「ご主人、紅茶が入ったぞ」
マリに声をかけたのは使い魔フクロウのマチ
とても大柄な男で、黒く所々青く長い髪をなびかせている。瞳も青く、湖のように澄んでいる
マリは椅子に座った
「ありがとう、頂くね」
そこに寝起きであろう、もう1人の姿がある
金髪を三つ編みで束ねた男のエルフだ
名はジェイド・グレイマン
瞳の色は緑で、まるでこの森のような幻想的で潤んだ目をしている
「マリ様、おはようございます…」
「ジェイド、おはよう。よく眠れた?」
「…はい、よく眠れましたよ。ですが今朝は冷え込みが強いですね」
3人でテーブルを囲んで紅茶を飲む。3人の沈黙を破るようにパチパチと暖炉の薪が音を鳴らす
「ご主人、俺は今日も薪割りをするつもりだ。ご主人達はどうする?」
「私はジェイドと一緒に薬草を摘みに行こうかなと思って」
「そうかわかった、気をつけてな」
そんな些細な会話をして、今日も1日が始まった!
~
「あ、ここにもハテナ草が生えてる。お?こっちにはフシギ草が」
薬草取り。マリは魔法薬を作るのが得意だ
趣味でもあるのだ
「マリ様ー!あちらにダイヤウルフの群れが!」
ジェイドが息を切らして走ってきた
「よし、お肉も爪も牙も血も、全部頂こう!」
ドドドドーーン!!
マリが派手に魔法を使った。だが木々には傷1つ付いていない。そしてダイヤウルフが10頭手に入った
「ダイヤウルフは名前と違ってお肉が柔らかくて美味しい…それに爪と牙と血は…薬に使える」
マリは目を光らせている
「あ、マチただいま」
「ご主人、おかえり」
薪割りを終えたマチが外の椅子に座っていた
「今日はマリ様がダイヤウルフの群れを狩りましたよ」
「それはすごいな」
早速3人で会話をしながらお昼ご飯の準備をする
「まずはシックキャロットとグロウマッシュルームなどを一口大に切って火を通したら…あらかじめ毛をはいで血抜きをしたホーンラビットの肉を入れて、そこにレインボーフルーツとハーブ、塩コショウを加えて…完成、ホーンラビットシチュー!」
「それと月光樹の花の蜜パンだ」
「うわぁ…すごく美味しそうです…!」
ジェイドが目を輝かせている
「さ、みんなで食べようか!いただきます」
もぐっ
「うーん、おいしーい!」
トロトロに煮詰めた野菜とほろほろのホーンラビットシチューの肉。ハーブの香りも食欲をそそる
心の底からホッとするシチュー
「うむ…ご主人が作るシチューは世界一美味いな」
1口、1口噛み締めているマチ
「はぁ…頬が蕩け落ちそうです」
こちらも目を潤ませながらどこか遠くを見ているジェイド
「月光樹の花の蜜パンも美味しいよ!」
マリは月光樹の花の蜜パンを小さくちぎって口に入れた
ふかふかと柔らかく、中はしっとりしている。噛むと花の蜜の味がふわっと香り、優しい甘さのパン
「ふむ…ほのかな甘みで美味い」
「こちらも美味しいです」
2人は満足そうだ
あっという間におかわり分もたいらげてしまった
「ふぅ…ご馳走様でした。2人とも、いっぱい食べたね。私のおかわり分ないんだもの」
「すまない、美味しすぎてつい食べてしまった」
「申し訳ございません、あまりにも美味しかったので」
マチとジェイドは申し訳なさそうな顔をする
「いいよ、美味しいって食べてくれたら私うれしいもの。また作ってあげるね」
美味しいご飯は心を暖かくする魔法だ
…さて、午後から何をしようか
「午後は私とジェイドで魔法薬作ろうかな、在庫が無いのもあるし」
「俺は町に行って新しい本を探してこよう。魔導書があればうれしいが」
よし、予定決まり!午後ものんびり行きましょう
~
「よし、まずは羽生え薬から作ろうか」
マリは数ある棚から材料を取りだした
「ムーンウォーター、コガネハッカ、シルフの粉、ユニコーンの角の粉、マンドレイクの種っと…」
広い部屋にたくさんの棚と本。そして魔女が使うような大釜。暖炉の焚き火がパチパチとなり、風の音に鳥の鳴き声、ウィンドチャイムが鳴っている。
「結構需要がある薬ですからね、沢山作らないといけませんね」
ジェイドも瓶を両手に持ち、薬を作る準備をしている
さて、これから魔法薬の大量生産が始まる
「ふふ、研究も捗りますね」
ジェイドはその顔を見て嬉しそうだった
そうこうしているうちに昼になっていたようだ
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