ぼくのくつした

天気

ぼくのくつした

あからさまに笑ってるね!

君は隠すということを知らないのかな?

…なんて。言えたらいいのだが。

なんということだ。

僕の靴下が揃ってないことがバレてしまった。

隣の花山くんは精一杯笑ってるし、後ろの新城ちゃんは僕の足元をずっとみてる!

「佐藤君。校則は守ろうね…」

先生は黒板を描くのに夢中みたい。掠れた声で僕を注意した。

もう、どうすればいいんだ。

30秒前のみんなの記憶を消してしまいたい!

ああ、人によっては自分が消えたいと思う人もいるらしい。

僕は不思議と、そう思うことはなかった。

「佐藤くん!僕の靴下貸してあげるよ」

予備を持っていた花山くんは、優しい。

「ありがとう」

受け取ったそれは、破れていた!

「ご、ごめん。破れてたみたい」

僕は思わず彼を睨んだ。

なんで僕は笑われたあげく破れた靴下を渡されてるんだ?

「睨むのはひどいんじゃない?」

後ろの新城ちゃんは、僕に説教した。

たしかに、そうかもしれない。

でも、花山くんは笑ってたんだ!

あきらかに!

靴下を貸してすらない彼女が言えることじゃない。

でも、僕が悪いのは明らかなんだ。

だって、

僕の靴下が揃ってないから。

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ぼくのくつした 天気 @Laikinto6913

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