転生ヒロイン捜索録

猫の耳毛

プロローグ

 身長175cm、体重70kg。18歳で進路に悩む高校3年生。斎藤さいとうれん

 別に頭が悪いことはないし、どちらかというと良い方だ。運動神経も普通。そこそこ楽しい人生を送っている。普通の、平凡な...




「お兄ちゃん!!!」


 ...そんなことは無いかもしれない。


 七瀬結衣。

 12歳、小学6年生。

 モデル体型。顔も良く、足の速さでは県大会に出れるほど。

 そして...


「お兄ちゃんおはよう!結婚して!」


 俺のことが大好きなこと。

 彼女の学校の男子の40%が、告白に失敗したらしい。

 おっと、あんなところに殺意マシマシで俺を睨んでる小学生男子たちが。


「おはよー。結婚はダメだね。俺はショートヘアで、おしゃれで、クールなお姉さんが好きなんだ」


 そう、俺はロリコンではない。

 確かに、結衣は超かわいい。だがどこまでいってもガキはガキだ。

 それに、昔ちょっといじめっ子から守ってやっただけなのだ。それだけだから、俺には勿体ない。もっといい男がいるはずだ。

 それに、俺は引きこもっていた時期があった。そこから俺を救い出してくれたのは、結衣だ。

 彼女は恋愛対象というより、恩人だ。


「えー!ま、いいや。今度一緒にゲーセン行こ」

「ちょっとだけな。受験だから」

「あ、そうだ、今日部活ないよね?帰りにカフェ行こうよ!最近新しい店ができたの」

「いいよ」

「この前借りた漫画返すから家もちょっと寄るね」

「いいよ」

「結婚しよ?」

「いいy...いや良くねぇ!危ない危ない!」


 本当に危ない。学校でロリコン扱いされる...

 あ、そういえば俺のあだ名ロリコンだ。


「なんでそんなに俺に固執するんだよー...」

「かっこいいもん。あんなデカい男たちに立ち向かって」

「うーむ...それはそうだが...」

「多分、あの人にいじめられてたら、助けてくれるでしょ?」

「当たり前だ。あの時ボコボコにされたからな」

「かっこよかったけどねー」

「次会ったときは......ケツに金属バット突っ込んでやるわ!」


 そんな普通の会話。

 だが、気が付かなかった。

 つぎの曲がり角で、猛スピードで駆け抜けるトラックの存在に。




ガンッ!!!






 2011年5月4日、俺は死んだ。

 俺の最後の言葉は、「ケツに金属バット突っ込んでやるわ!」だ。ちょっと恥ずかしい。かっこいいセリフが良かった。

 だが、俺は別人に転生していたらしい。

 そして今に至る。

 現在13歳、普通の家庭に生まれ、わりかしエリートだ。前世の記憶あるからね。


 そして今日、運命が動き始めた。




「君の大好きな結衣ちゃんは、日本のどこかに転生している」




 『神』と名乗る男が夢に現れ、そう言い残した。

 彼はたぶん本物だ。夢をみた翌日、神が予言した通りに物事が進んだ。

 つまり、日本のどこかに結衣が俺と同じように転生しているわけだ。


 そして俺は決意した。絶対に結衣に会うと。

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