掌編・『いいトークの日』（11月19日にちなんで）

　A「まいどバカバカしい漫才でございます。　ABシスターズと申します！」

　B「アホとバカでAB。　一応血のつながった姉妹コンビです！　アホも遺伝です」

　A「ええんかいな？　倫理規定に引っかからんか？」

　B「自分でいうんはええんやろ？　誹謗中傷は名誉棄損でございます。」

　A「今日は、「いいトークの日」らしいから…言葉遣いも気を付けましょうな」

　B「”いいトーク”ってどういうもんやろか？　ポエムとかの話をするんやろか？」

　A「心が温まるお話？　本音をぶつけ合ってすっきりするのもいいかもね？　まあ、笑いヨガというのもあるし、笑えるトークがいいのは言うまでもないかな？　」

　B「漫才は心のオアシスです。　癒されてくださいね。　」

　A「男は船、女は港。　サザエさんのフネはおばあちゃんやけど。」

　B「サザエさんとかはギャグマンガというか、四コマで笑いとって…でもいろんな要素あるよね？　風刺もあるし、ペーソスやら、哲学っぽい深い話もあったり？」

　A「俳句に似たところもあるよね？　思いがけない発見？」

　B「外国の漫画だと絵でああいう細かい表現はむつかしなあ、って言うのが多い。　感情でも千差万別で。　」

　A「さすが国民栄誉賞か。　いいトークで名を馳せた人は歴史上も多いね。　リンカーン、キング牧師。　」

　B「”私には夢がある”　は、あまりにもユーメー。」

　A「ユーメー無実じゃありませんってか？」

　B「無実でないから、だから差別は有罪、重罪。　レイシズムをほっとくのはレイジー。」

　A「”イジメや”ゆうてごまかすのもあまりにもイージー。メッ！」

　B「軽犯罪とか思うなよ」