第21話 救世主
◇現在 オルグス大迷宮第14層◇
「僕のスキルが下位互換だと…」
切断された両腕から鮮血が流れ落ちる最中に自身のスキルが下位互換だと知り酷く落胆している。
「まぁ普通に考えれば強いと思うぞ?俺の権──固有スキルがバグ性能なだけで」
『今権能って言いかけたろ』
『うるせぇ』
ちなみに
「鏡花、切山さんの治療をお願い。快は何でも良いから縛れる物とか持ってきて」
「へ?あ、うん!分かった!」
「縛れる物だな?任せろ!」
鏡花、快、切山さんは良いとして他2人はずっと怯えてるだけで使い物にならないな…本当にここまで生きてこれたのか?ってレベルだな。
「神鳴(カンナリ)!」
ビリリッ
王野が
ズガドォォンッッ!!
「いただきますッ!」
「…は?」
はずだった。確かに
「魔法にも味ってあるんだな、痺れる感じでまぁまぁ美味い」
「魔法を喰っただと?!」
「てか権能含めれば実質固有スキル12個か…まぁどうでも良いけど」
「て、いかんいかん食う方向性になってしまった…我慢我慢」
「食う(意味深)だと?!お前そんな趣味が…」
「ん?食う(物理)のは別に趣味では無いが…」
少し王野は脳内がお花畑のようで話が通用しない。
何か話が噛み合ってないような…?お、そうこうしてたら快がロープ持ってきたようだな、あれは衣服とかを組み合わせて作った即席ロープかな?
「持ってきたぞ」
「じゃあ
「おっけ任せとけ!」
王野の方向に手を向けてDランク風魔法の
「最大でも腰くらいまでしか深さは無いけど今は十分だろ」
「くっそ?!動けない…」
シュッ
関柄が強く縄を縛り付け王野の拘束が完了する。万が一を考えて
「鏡花さん腕はもう大丈夫?私ちゃんと治せたかな…」
「もう痛みも無いし大丈夫だ。それに今までも鏡花が治せなかったことはないじゃないか」
「そうかなぁ…でもまだまだ蓮兎君に比べたら弱いし…よし!私頑張る!」
「「…」」
女子2人が話している中蓮兎と快は何も喋らずにただ気配を消して座っている。理由は…察しの通りだ。
(さっきまでは戦闘中だったから喋れたけど落ち着いたら喋れねぇ…鏡花だけなら良いけど切山さんとか後ろでもじもじしてる2人もいるし…ん?確かもう1人いなかったか?)
何故蓮兎が
「あ、あの…」
「ん?どうした蓮兎」
「確かもう1人いなかったかですか?人」
「「「…」」」
その場にいて会話をしていた切山、咲良希、関柄が黙り込みダンジョン内に重い雰囲気が発生し蓮兎をみしみしと押し潰している。その時咲良希が語り出す。
「実はね?3日くらい前に3人で飛び出してった鬼塚君、姫乃さん、鳴山君が突然やってきてその時に…」
「確かに前衛だから危険が1番多いか…」
『せっかくなら喰いたかったのにな』
『そんな事言えるかよッ!ほんの少し気持ちは分かるけど』
重い雰囲気が再びそこにいる人物を押し潰そうとした時に切山が話題を変える。
「そうだ!蓮兎、お前から貰った武器がもう壊れかけてるんだが新しく作ってくれないか?」
「ん?あぁ分かった」
「じゃあ私も杖が欲しいな!」
「お、俺は短剣を…」
『人気者だな』
『一気に話しかけられてすげぇ緊張する…』
『早く
『その手があったか?!』
やっと
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます