〜 神様に「地球の神にならない?」と言われたので新米神様として頑張ります!? 〜
イナ
第1話 神様就任!?
いつも通りの放課後 いつも通りの通学路 いつも通りの神様からの提案 ・・・いや、昨日までのいつも通りとは何かが違う 上位神からの無茶ぶりを悪戦苦闘しながらも応えようと頑張る平凡な田中の物語
いつも通り同じ時間に起床し いつも通り母親が作ってくれている朝食を食べ いつも通り昨夜のうちに準備しといた今日使うであろう教科書が入ってるリュックを背負い学校へ向かう
毎日同じことの繰り返しで気がついたら高校三年目の夏に入ろうとしていた だが何故か今日はいつも通りとは何かが違うことが起きると何故かそう思ってしまっていた
「はぁ今日も学校終わったしさっさと帰るか、、」そう独り言をこぼし 部活動に向かう同級生 友達と話しに花を咲かせている同級生に目をやる 何故かいたたまれない気持ちになったので急ぎ足で教室を出ることにした
特に誰かと話すことも無く学校を出る 帰路についていると今までずっと聞こえていた車のエンジン音 人の会話などが一切無くなっていることに気がついた
「あれ?静かすぎないか?」
周りを見渡すと見える範囲では人も車も犬猫 何一つ見当たらない
少し不気味だと感じていると突然若い女性の声のようにも聞こえるし年老いた男性のような声にも聞こえる特徴の掴めない声で
「地球の神にならない?」
と後ろから聞こえた
おかしい 周りを見渡した時は誰も居なかった
ましてや後ろからいきなり声をかけられるなんて
振り返るのが怖い 怖くないわけが無いだろう 明らかにおかしい いきなり周りから人の気配が消えてその後すぐに人が居なかった場所から声が聞こえる
だが振り返らずに家に帰るはなんてもってのほかだ 相手の機嫌を損ねるかもしれない
恐る恐る後ろを振り返ると確かに誰か居た だがそれが女性なのか男性なのか若いのか老いているのかも分からない理解が出来ない ただそこにだれかが居るということだけが理解できた
そして自分が言葉を発せたのは一言だけ
「え?」
だけだった
「いやだから地球の神にならない?正確には私の後任にだけど」
なるほど、何故か分からないけどこの人?が人間でないことは本能的に理解できた
そして歯向かうなんて選択肢は絶対にナシだ いきなり危害を加えられるようなことも無さそうだと感じていた
「すみません。いきなりで驚いてるんですけどいくつか質問していいですか?」
普段敬語なんか使わないが敬語になってしまった いや敬語にもなるだろうこんな場面に出くわすと
「うんうん。私を対面にして発狂しないだけ凄いね。一応素質のある子を選びはしたけどこれなら大丈夫そうだ。いいよいくらでも答えてあげる。」
「ありがとうございます では1つ目の質問なんですけどあなたは神様ですか?」
「そうだよ。正確に言うといくつもの世界を管理している上位神的な存在だね。」
予想通り人間では無いらしい 逃げるなんてことをしなくてほんとに良かった
「なるほど では2つ目の質問で何故俺を地球の神にさせようとするんですか?」
「それは1つ目の質問で答えたのに関係するんだけど、いくつもの世界を管理するのって結構大変だから誰かにこの地球を管理してもらうと思ったのが最初。
あと君を選んだのは最低限の素質を持っている知的生命体の中から適当に選んだだけだよ。」
知的生命体、、、もし自分が断れば次は人間では無い別の種族が選ばれるかもしれないのか
「なるほどありがとうございます 最後にこの提案を断った場合なにか罰則などはありますか?」
「特にないよ。でも私と話した記憶が消えるだけだね。」
「ありがとうございます 少しだけ考えてもいいですか?」
「なるべく早く決めてね。君がダメなら他の人間のところに行くから」
考えると言ったがほとんど最初から決まっていた
今まで至って普通な生き方をしていたがこれでも中学2年生の頃は自分が特別な存在だと思い違いをするようなよくある生き方をしていた それが本当に特別な存在になれるのだ 断る理由なんて無いだろう。
少なくともここで提案を受ければ今までの平凡な人生とはおさらばできそうだし
「地球の神になるという提案 受けさせていただきます よろしくお願いします」
「おぉ、それは良かった。1人目で決まってくれたのは良かった。とりあえずこの後地球の管理の方法を教えよう。と言っても特別何かやることなんてないんだけどね。君は神ってどういう物だと思ってる?」
「神ですか それこそ貴方のような上位種族みたいな立ち向かうことが出来ない 神の加減で簡単に人類は滅んだりするようなものだと認識しています。」
「なるほどね あながち間違っていないけど少し違うところもある。神って人前に姿を表さないし力を示さない。それこそ物語を読んでいる第三者のようなものだと思ってくれたら分かりやすいかな。」
「分かるような分からないような気がします」
「うーん。簡単に説明すると物語を読んでいてもそれの物語を脚色したり壊したりはしないだろ?でもやろうと思えばその物語を綴っている本に結末を書き足したり破いたり燃やしたり色々できる。でもやらないその物語に手を加えずに外から見るだけにする。って考えたら少しわかるかな?」
なるほど少しわかった気がする 実際に最近は幅広いジャンルの小説を読むことにハマっている たくさんの小説を読んでいるとどうしてもこの展開だったらどうなっていただろうとかこの展開だったらもっと面白そうとか考えてしまうことがあった
それが実際に物語の展開を変えられるようになるということだろうか 確かに展開を変えられるようになっても私情で変えてしまうのは何か違う気がしてしまう
「なるほど 少し分かった気がします」
「よかった。ま、最初はそんなもんだよ。気長に神様頑張りなよ。そうしたら自ずと分かるよ。そうそう地球の管理の方法なんだけど力を使えばいい。
力は君が神になると承認した瞬間に君の中に力の種が出来た。それを成長させると色々なことができるようになる。
力の種は色々なことで成長するから。使い方に関してはさっき言ってた物語を脚色する感覚で使えばいい。
おいおい力に関しては使えるようになるだろう。 それこそ君が言っていた人類を滅ぼすことも簡単に出来るようになるし砂漠を緑地化することも簡単に出来るようになるだろう。
だがそれはしない方がいい。
地球は私が手をつけないで自身の力で成長してきた。人類も同じようにね。だから君が直接手をかけるのは地球が危機に陥った場合だけにした方がいい。
人類を滅ぼすのも君が地球にとって人類が癌だと思ったらすればいい。別の種族を進化させて地球を繁栄させてもいいしね。」
「自分自身も人間なので滅多にそんな事はしたくないですね 人には期待しとく事にします。」
「そうだね。それがいいと思うよ。700万年くらいかけて進化した種族を滅ぼすのも勿体ないしね。」
「そういう意味では無いのですが まあ色々試して頑張ってみようと思います。」
「うん。まあ神様就任の初日だから先輩として色々言ったけど今日からは君が地球の管理者だ。君自身が決めたなら地球に直接手を出してもいい。物語を脚色するのが好きならするといいよ。
私はこれまで積極的に手を出さなかったってだけの話だしね。これからは君が考えて決めるといいよ。
じゃあこの地球は任せるよ力が付いてきたらいずれ色々な理がわかるようになるだろうし私にも連絡できるようになるだろう。
あ、最後に地球の神って言ってたけど正確には君は地球という惑星があるこの世界の神だから。他の惑星も余裕できたら管理よろしく。色々面白い惑星とかもあるからね。」
そうしてそれだけを言うとその場から忽然と姿を消した上位神 気がつく周りには人の気配が戻っており車も走っている 幻覚でも見ていたかと思うが今の今までのことは全部実際に起こった出来事だと自分だけが理解していた
そうして最初に言葉に発したのは最後の爆弾発言についてではなくて
「名前聞くの忘れた」
だった
そうしていつも通りの生活から確実に外れていくのを実感した
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