3_何だじじい? 何なんですかね、じじいじじい⁉
「くっそ! 納豆プロンプトでバグったまんまだけど! 出るしかない、いくぞ、シェシェ・バール!! ドダイ、たのむぞ! 座標ナビ情報をヨットから送ってくれ! 宇宙迷子は洒落にならないからな!」
おぱう!! ミリアムちゃんクリティカルやっちまったで、バグったままのアームドアーマーを駆って、出撃するドーガ!
「ミリアム! スペースシステムデバイス。起動して戦場設定環境安定させて! エレメントはデ・カオス! 混沌系存在弱化のデバフ!!」
おらっちょ任せろ!! 力場設定が特に物質で固定していない、そう言う宇宙では、PC(パーソナル・コントローラ)による『特殊力場設定』が容易く実行できて。実はわたしミリアムちゃんは『時空設定師(デジョン・エンジニア)』の三級資格持ちなのだ!!
* * *
「へっ!! お高そうな宇宙ヨットだぜ! どうせまた、あの忌々しい坊主、ユハナス・ユヴェンハザ野郎の影響下の企業の重役か、そのバカな子息子女でものっているんだろうが!! ああいう『特権野郎共』を虐げられるって言うのは、堪えきれねえ快感だぜ! ドブハハハハハハ!!」
ゲラゲラ! 堪んねえ快感だぜ! この、宇宙に虐げられて老境まで苦労を重ねたラージット、この俺が。潰せるってのがな!!
あの、最初の落魄点である『全盛期に持っていた宇宙海賊港』をトンチキな手段で破壊しやがったあの。宇宙商侠とかの名乗ってるあの気に喰わねえ!
「ユハナス・ユヴェンハザ!! てめえに類する奴らは!! この俺がぶん殴ってやるからなぁ!!」
と、俺は宇宙空間に向かって吼えた!!
「みっともないなぁ、もう。海賊なんだから、タダの食い扶持稼ぎって割り切ったらどうです? 親分。私情挟むって疲れませんか?」
そんな事を言いやがるイガペー。うるせえこの無能!! ぶん殴っちゃうぞ!!
「まあ、行くことにしよう、首領。金になる、私怨晴らせる、海賊名声上がる。文句も不満もないだろうに」
フォーデンはそう言う。まあ確かにそうだが、何かカチンとくる言い方だなぁ、この理論家野郎め……。
* * *
《ドーガ。戦闘予測宙域に到達。ミリアム嬢が整えて下さった、戦場設定が活きています。ところでドーガ。納豆と山芋とオクラにメカブを加えた際の粘性質の変化に興味はありませんか?》
うごー!! 何言ってんだ、この俺の愛機、シェシェ・バールは!!
ミリアムの納豆プロンプトなんて、さっさとエラーの素だと分離しろとコードで組んだのに。なんだ、このミリアムの毒プロンプトに対しての執着は!!
「いいから!! 頼むからその雑念捨てて、戦闘に邁進してくれ!!」
俺は、泣きそうになった。なんで、レウペウ父王陛下から拝領した、この純白のアームドアーマーが!! あのユハナスさんの娘で、まあ実は俺の初恋の相手で。現在も恋愛感情を俺が胸に秘めてる、ミリアム・ユヴェンハザさんの手によるとは言え!!
意味わかんないバグプロンプトで暴走する破目になったんだよ!!
と!! きた、方位98、宙底方向から突き上げるように!!
突っ込んでくる、アームドアーマー三機!!
「きた! シェシェ・バール! 敵機種解析できてるか?!」
《敵アームドアーマー機種、解析完了です! ゼル・ゼルrev4が一機、シュリックMark3が一機、更に、ウェオ・ペルテンmodel5が一機です!!》
「あんだよ? 全部旧式じゃないか。まあ、そのラインナップは機能性って言えば相当だけどさ」
《如何にも、ドーガ。ゼル・ゼルは高火力高装甲、シュリックはアジリティが高い。ウェオ・ペルテンも動きの洗練性が高い昔の名機ではあります》
「まあ、いいさ。シャルシーダ王家の『王太子の訓練用アームドアーマー』こと、シェシェ・バール。つまりお前なら。鎧袖一触だろ? 俺もパイロットとしてはやれる方だしさ!!」
《ドーガ。それを慢心と言います。引き締めていくのが肝要です。何といっても、1対3。難い戦いですよ! では、行きましょう!!》
「へっ!! 言わずもがなだ!! 行くぞ!!」
俺は、自分のアームドアーマーの腕に装着されている、ビームボウ発生装置を展開し!!
こちらに向かってくる、敵アームドアーマーたちの先頭の一機に狙いを定めた!!
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