第15話 歌舞伎町
2019年12月
あたしは、歌舞伎町を真顔で歩いていた。
信号待ち。
ホスト、スカウト、地雷系の女の子、今から出勤するであろうキャバ嬢、仕事終わりのサラリーマン達
その人混みの中で、さくら通りが目の前にある横断歩道で信号待ちをしていた。
ひょんなことから、あたしはショーパブで働いていた。
働き始めて1ヶ月ちょっと、お店の仕様やルールもわかってきて、客層や集客もなんとなく頑張り始めていた。
真冬なのに、ビキニ姿で店内を歩き回る。
今となっては、本当に不思議な空間だったけど、当時は楽しくて楽しくてたまらなかった。
特に一番好きだった時間は、営業時間内の中で3回あるショータイムだった。
ダンスの経験はなかったが、ありがたいことに、 舞台に立たせてもらうことが度々あった。
ゴーゴダンサーも一時期憧れていたことがあって、クラブ通いのおかげか、それっぽく踊ることができた。
舞台上には左右の両端が円になっていて、音楽が盛り上がるとこで円台が上がる。
客席を見下ろして、踊る。最高だった。
次に好きだった時間は、先輩達のポールダンスのショーだった。
東京が嫌いなあなたへ @rinrin-90
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