第6話 行方不明

2024年11月某日 神奈川県 某所


あたしは、神奈川県にある警察署に来た。

理由は一つ。

前日に調べた警察庁の"身元不明死者情報"を北海道から沖縄まで見たところ。

1人の遺体の所持物が、ヒロくんと同じタバコの銘柄だった点と、顔の特徴に鼻の下あたりにほくろがあるという点。


年齢は不詳。

電話で問い合わせたが、実際の写真を見せるのは警察署に来てもらわないといけないということで、あたしは警察署に向かった。


一人の警察官のおじさんが「探している人とはどういった関係かな?」とラフに質問されたので、あたしは「昔お世話になった人です。」と当たり障りなく答えた。


少し待たされたあと、個室に通されて警察官のおじさんに、写真を見せてもらったが。そこであたしは、安心した。


「違う人です。」

そう答えた。

警察官のおじさんは優しくて、行方不明の人の届出を出すには戸籍上の人しか出せないことや、ストーカー規制法が厳しいからどれだけ親しい人でも捜索願いは出せないことを親身に教えてくれた。


警察署からの帰り道、雨は小雨程度に収まっていた。

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