ぬいぐるみは語る

みぃ

淡い片恋






明日が待ち切れないから

ボクは そっと キミを思う

車のヘッドライトが

臆病な ボクを急き立てる

次第に 暗くなる部屋で

そっと 語りかけてくる

ふと 視線を感じて

見やれば

ユーフォーキャッチャーで

ふたり 勝ち取った

ぬいぐるみ

大きな大きな

犬のぬいぐるみ

キミに あげるよ

いったのに

キミは

大きすぎるから

と ボクのものに

今も ベッドの隅で

キミの代わりに 座っている

ふわっふわの

手触りは あの日のまま

少し 埃をかぶっているけれど

キミの 笑い声が

この部屋に 響いたこと

キミの 小さな手が

抱きしめた 感触

きっと すべて

覚えているんだろう

あの日 ボクが 少しだけ意地悪く


じゃあ ずっと ボクが

キミの代わりに 抱きしめてる


と 言ったのを

キミは なぜだか

少し 困った顔で

うつむいたっけ

その時

キミが 何を

考えていたのか

この 犬のぬいぐるみは

知っているの‥






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ぬいぐるみは語る みぃ @miwa-masa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ