第19話

月曜日、火曜日と先週と変わらず

茉莉花の家でテスト対策して、その合間で

いつものコンビニへ行った。


「俺ら来週からテスト始まるけど、授業サボってるから

どこの何やるか分かんないんだよなぁ。

俺の場合、今週だけ取り敢えず

テストに備えておべんきょーしてる感じだわ。」


それでいいのか北工業…!

羨ましいな。


「あ、でも、蓮司と大和と優は

おりこーさんだから、普通にテストできるんだよな。

なんで一緒にサボってるのに

おべんきょー出来るのか、まーじで分かんない!」


不服そうに唇を尖らせてる旭くんは

ちょっとかわいい。


「教えて貰えばいいのに」

と言うと


「「教えるの壊滅的に下手!」」


と、茉莉花と旭くんが口を揃えて言った。


「優くんが教えるのは想像つかないのと

蓮司くんがあんまり話さないイメージはあるけど

大和くんは教えるの上手そうじゃない?」


「大和は教えられるんだろうけど、すっごい面倒くさがりだから

分からないこっちの事を

考えて話してくれないんだよね〜」


にがーーい顔をする旭くんに

少し同情した。




茉莉花の家へ戻り、再びのテスト範囲の復習を終え

私は帰る準備をする。


いよいよ明日からのテスト本番に意気込む茉莉花。


「補習回避して、壱華と大和達との夏休み

エンジョイするぞー!!!」


玄関で、おー!っと腕を上げる私に

甘えるように抱きつく茉莉花。


「ねぇねぇ壱華、お願いがあるんだけど…」

「え、なに??」


な、なんだそのかわいい顔は。

男ならイチコロだぞ。大和くんも苦労するな。

でも、急にそんな事されても不安になる。。


「テスト週間の日は、お昼までじゃん?

だから金曜日テスト終わったら

一緒に北工業突撃しない??」

「はぁ?!」


水曜日〜金曜日のテスト週間は、午前中の4限しかない為

午後はフリーになる。


「それ不法侵入じゃないの??

普通、関係者以外立ち入り禁止でしょ?」


「北工業なら、そういうのゆるいから

他の学校の子もいるよ!

それに、侵入する為の策はある!!」


「どうして急にそんな事しようと思ったの?」


んー…、と口籠る茉莉花。

何か理由はあるっぽい。

まぁ、十中八九


「大和くん関連?」


ギクリっと肩を上げた。

わっかりやす!!ずっこけそうになる。


気不味そうな、言いにくそうに

あのね…と、話し始めた。

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白梟の止木 しろいななせ @nyanyase

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