第2話 新天地発見!
新天地を求めて宇宙船で果てし無く旅を続けるうえで、冬眠状態で時間と距離の感覚がないことは乗船者の負担をずいぶん軽くしていた。が、スターアナライザーがマクロリサーチでカズー星人が生存可能な星を発見するたび、移住の是非を問う乗船者全員起床が行われ、分析結果を確認し、そのたびに生存こそ可能だが劣悪な環境であることを示す諸々のデータを見て「此処は我々の住む星ではない」と何度も落胆され続けるのはかなりな精神的負担になっていた。先の希望が見いだせず不安を覚え「カズー星に帰りたい」と言い出す者やスターアナライザーの性能を疑う者が現れたりしたが、リーダーがなだめ、冬眠カプセルに入り旅を続けた。その後、何回目かの目覚めで出会った星、それは青く光る綺麗な星だった。そしてその星は今までのどの候補より良い環境データを示しており、旅疲れや今後に希望を持ちにくいこともあり「住みたい」と言う者が続出した。だがリーダーの「もっと詳細な環境データを取るべきだ」と言う声で、スターアナライザーが超小型無人探査機を地上に送り、地中を含め更に詳しく分析することになった。そして数日後、結果が船内モニターに表示された。詳細な環境データはこの星が温暖な惑星カズーより厳しい環境であることを示していた。乗船者の判断は別れた。協議の結果、おおよそ半数が新天地として選び、移住することを決心し下船、そして残りは旅を続けることになった。そのため船は着陸せず上空で一旦静止し、下船するカズー星人が乗る開拓用ロボット搭載のマルチパーパスビークル50台が地上に向けて発進した。地上に降りたカズー星人は空を見上げ旅を続ける仲間の船を見送った。スターアナライザーが残したデータによると、高等生物がいないことが確認されており、住むことに適した候補地をビークルの数に合わせ50カ所選出していた。その中から自分の好みと思える地を、妥協を含んで選んだ者同士がグループとなりその地に散って行った。そしてその地で惑星カズーの文化とは異なる、今住んでいる場所に合った文化を築き上げ発展していった。だが時が経つにつれ、より自分好みの場所を探してコロニーから出ていく者が現れ、増え、やがて築き上げた文化が廃墟となっていった。中には大自然で生きることを求め、文化を捨て未開の地に移る者も出てきた。そうして長い年月を経てその星の人類となった元カズー星人が星全体に広がり、交流連携することで効率が上がることを改めて悟り、地球と名付けた星全体で発展していった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます